第6章:女の決意・男の勘違い
第15話:人の心と思惑には光と闇が存在する
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(ロザリーヒル)
ロザリーSIDE
「私の持ってる情報に、『世界樹の花』の情報があります。この世界樹の花とは、ご遺体さえあれば何年経過してあっても生き返らせる事が出来るアイテムなのです! それを見つけて、シンちゃんの彼女を復活させ、魔族との蟠りを解消しましょう」
ビアンカさんの娘さんであるマリーさんが、とても凄い情報を披露してくれた。
いきなり大勢が部屋に傾れ込んできたので最初は吃驚して動けなかったけど、ウルフさんという青年が最初に声をかけてくれた通り、皆さん良い人ばかりの様で何も心配する必要がありません。
やはりビアンカさんのお知り合いは皆さん善人なのだと思います。
各々自己紹介をしこれまでの事を報告し合ってると、ピサロ様が行った酷い事が色々と報告されました。
本当はとても優しい人なのに……その事を解っていても聞いてるのが辛い時間でした。
でも、マリーさんの情報で多少ですけど心が軽くなった思いです。
「もし……本当にシンシアが生き返るのなら、これ程嬉しい事はない。でも、デスピサロが俺の村を滅ぼした事実は変わらない! やはり、そう簡単に許せは……」
「そんなのしょうがねーだろ。魔族を根絶やしにしようと誕生した伝説の勇者を、倒そうと思いお前の村に攻め込んで、村人が応戦してきたのだから犠牲が出るのは当然だ!」
「な……お、お言葉ですがリュカさん。俺は魔族を根絶やしにしようなんて考えた事もありませんよ!」
「お前がどう思うかじゃなくて、デスピサロ達が何を考えてたかだよ。“魔族(モンスター)は人間に害を成す存在”と思い、忌み嫌ってきたのは事実だろ。だから魔族達も“何時かは人間に滅ぼされるのでは”と考え、その象徴たる勇者を殺そうと必死になったんだ」
「だ、だからと言って村人達を皆殺しにする必要はないでしょう! 目的は俺なのだから、俺だけを狙えば良かったんです!」
「連中も無駄な事はしたくなかっただろうよ……素直にお前を差し出せば、たった一人を殺して平安を得られたのだからね。でも村人達が勝手に抵抗してきて、勝手に死んでいったんだ……」
「やめろ! 父さん達を侮辱する事は許さない……たとえリュカさんでも、絶対に許さないぞ!」
「……剣を納めろ馬鹿者! 僕が言ってるのは、魔族にも人間にも主義主張あった為、諍いが起こったと言う事だ。僕はお前の家族を侮辱してはいない……互いに互いを理解する事なく、殺し合いを止めようとしないお前等を侮辱しているだけだ!」
ビアンカさんの旦那さんが勇者様らしき青年と口論を繰り広げる。
耐えられなくなった勇者様が剣を抜くと、厳しい声でその行為を叱咤する。
彼の迫力は物凄く、私を守る様に立つピサロナイトさん(女性だとは気付きませんでした……)も、思わず後退りをする。
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