第4話 「ぶつかり合う白と黒」
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いだろう。
この勝負の行く末を決めるのは高町と金髪の少女の勝敗になる。が、高町が勝つ可能性は低い。
介入すると金髪の少女からは敵だと認識されてしまうため、できれば介入したくないが……高町に死なれるほうが困る。
「念のため準備はしておくか……」
何かがぶつかり合う轟音が響いた。はっきりとは見えないため、ファラに拡大した映像を見せてもらう。フェレットのような動物とオオカミ型の生物が向かい合っていた。
フェレットのほうは少年だろうが……見る人間によっては少年は高町の使い魔扱いされるだろうな。そんなことを思いながら、もうひとつ表示されているモニターに目を移した。ジュエルシードを境にして、高町と金髪の少女が映っている。
「私、なのは。高町なのは。私立聖洋大学付属小学校3年生」
……この前できなかったからって理由でここで自己紹介?
少女になぜジュエルシードを集めるのか? と問うためにしたことだと理解したのは、そう思ってから数秒後だった。
意識を戻すと金髪の少女は黙れと言わんばかりにデバイスを鎌状に変えて高町に向けていた。高町は怯む様子を見せたが、それも一瞬で力強い瞳を金髪の少女に向ける。
「ジュエルシードは諦めてって……言ったはずだよ」
「それを言うなら、まだ私の質問にも答えてくれてないよね。まだ名前も聞いてない!」
そこで会話は止まってしまったが、ふたりは身動きせずに視線を合わせたままだ。自分の意思をぶつけ合っているのだろう。
先に動きを見せたのは金髪の少女のほうだった。高町から視線を外し、向けていたデバイスを下げる。
彼女が瞼を下ろし……開けたときには強い意志が宿っているように見えた。デバイスを上段に構え、周囲に電気を帯びた魔力弾を形成する。
「他人を傷つけてでも貫きたい思いがあるのか……」
高町を少女が追う形で空中戦が始まる。俺はふたりよりも高い位置まで上昇し、戦闘の様子を窺う。
「……高町は天才か」
そう呟かずにはいられないほど、高町の魔導師としての技能は上がっていた。日々特訓したのだろうが、ついこの間魔導師になった人間が到達できるレベルではない。
金髪の少女の魔力弾を全てかわした高町は、魔力弾を4発放った。が、それをもらうほど金髪の少女の技能も低くはない。
「……かわすのは想定ずみか」
金髪の少女は、砲撃の準備を終えた高町を見て俺と同様に驚いている。全速で追いかけていた彼女は急な方向転換はできず、桃色の閃光を魔法で防ぐしかなかった。
「く……」
高町の砲撃は見るからに強力。真正面から受け止めるのは、よほど防御に自信があるものでなければ難しいだろう。
俺ならば防御魔法で受け止めて回避するための一瞬の時間を作って離脱する。少女も同
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