第4話 「ぶつかり合う白と黒」
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を集め続けても良い変化なんてありはしないだろうがな。
と、困っている人を放っておくことができない彼女の性格に無意識に何かしらの感情を抱いているのか、俺は口には出さなかったが内心で呟いていた。
★
その日の夜。時間は8時前と子供がひとりで出歩く時間帯ではない。
その時間帯に俺は、とあるビルの屋上から街を見下ろしていた。理由は発動前と思われる微弱なジュエルシードの気配を感じたからだ。
「……さて、どっちが先に見つけるんだろうな」
高町たちも金髪の魔導師もジュエルシードの気配に気が付いているはずだ。今もこの周辺を探し回っていることだろう。
いや、探し回っているのは高町の方だけか。金髪の少女は魔法の知識をきちんと持っているはずだから、魔法を使って探しているだろう。
「……ん?」
突如、この街で最も高い建設物の頂上付近から強い魔力を感じた。穏やかだった夜空に暗雲が出現し、雷雲と化した。それとほぼ同時に、広域の結界が張られる。前者は金髪の魔導師、後者はあの少年だろう。
雷鳴が鳴り響く街に桃色の光が発生する。高町がセットアップしたのだろう。
街のとある一角に落雷した瞬間、ジュエルシードの気配が強まった。強制的に発動させられたのを物語るかのように、淡い青色の光の柱が発生している。
「ファラ」
「うん」
俺の言いたいことを察したのか、ファラはすぐさま返事を返してきた。ファラは夜空色の剣に姿を変え、俺も私服から黒衣のバリアジャケットに変わる。
介入するつもりはないが、ふたりが衝突しどちらも行動不能になる可能性もゼロではない。万が一のことを考えて準備しておいても損はないだろう。
「まあ……魔導師としての経験の差からして高町が負けるだろうが」
青い光の柱に向かって、桃色と黄金の砲撃が迫っていき同時に衝突した。ジュエルシードに直撃したというよりも、ふたつの砲撃が衝突したからと言えそうな轟音が響き渡る。
「ジュエルシード……!」
「……封印ッ!」
光の柱があった場所で凄まじい爆発が生じた。土煙が晴れると、無事に封印されたジュエルシードが姿を現した。
「ここからが本番だな」
高町も金髪の魔導師もお互いの存在とジュエルシードの位置を認識している。高町側には少年がいるが金髪の少女はひとり。彼女の実力を考えればひとりでも渡りあえないことは……いや、3人の他にも魔力を持った奴がいるな。
推測するに少女の使い魔の可能性が高い。使い魔の能力は主の能力に比例する場合が多いため、金髪の少女の能力を考えると使い魔の能力も高いだろう。
おそらく高町と金髪の少女、少年と使い魔の戦闘になるはずだ。少年には魔法の知識と経験があるだろうから、使い魔と戦ってもすぐにはやられることはな
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