暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒影の死神〜
『第十一話』〜新たな魔法少女〜
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「怪我をした女を放っておくほど腐ってない。例えおまえが拒んでもだ」


そう言って俺は無理やりベンチに座らせる。


「癒しの巫女の魂よ 今一時 その力を我に宿し 傷つきし者を救い給え『治癒』」


そう唱えると二人の周囲から光の粒子が集まり、優しい光が彼女の怪我の部分を包む。そして光が晴れた瞬間には。


「す、スゴイ。怪我が治ってる」

「なら、俺はこれで」

「あ、あの!」

「ん?」

「えっと、そ、その・・・・」


彼女はもじもじしながら俺に何かを伝えようとしているが、何を言おうとしているのかが分からない。


「…………深呼吸してみるか。吸って〜」


「すー」

「吸って〜」

「すー」

「まだまだ」

「すー・・・」

「おまけにもう五回ほど〜」

「すー・・・・え! これ以上したら死んじゃいます!」


驚きながらも彼女の緊張感はほぐれたようだ。


「落ち着いたみたいだな」


そう言って彼女の頭をポンポンと軽くたたく。


「!は、はい///」


だが、次の瞬間には顔が赤くなった。


「それで、何を言おうとしたんだ?」

「あ! その、助けてくれたことと、怪我を治してくれて、その、ありがとう・・・」

「気にするな、自分でした事だ。じゃ、今度こそ失礼するぞ。」

「ま、待って!!」

「ん?」

「わ、私フェイト・テスタロッサ!あなたの名前は?」

「名前?俺はt……死神とでも呼んでくれ」

「また……また会える?」

「縁があればまた会えるさ」

「う、うん! 絶対また会えるよね!」

「あぁ」

 そういって笑顔で手を振りながらフェイトと別れた。

 今後フェイトがどう拓斗と絡んでくるのか。これはまだ誰にもわからない。


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