三 邂逅
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どちらにいらっしゃたんですか?』
『ああ。ちょっと計画のことでな』
『さっきのザクの表情から、ナルトのことを知らねえみたいだったが、あのクソヤロー共は計画に入っていないのか?』
『いや、一応表向きには入っているが、俺のことは知らないだろうな』
『そうみたいですね。先ほどからずっと視線が此方に向けられてますし』
『うっとうしいな。ウチと君麻呂のことを知ってるぶん、ナルトにばっか眼を向けてやがる』
『彼らとは面識ないからね。俺は下忍自体やってなかったし。俺のこと知ってんのは大蛇丸・カブト・音の四人衆と君麻呂…ぐらいかな?』
ナルトの言葉を聞いて、多由也と君麻呂は口端が上がる。特に君麻呂などナルトに心酔している分、心底歓喜していた。
(…音忍の中での話だがな…)
ナルトは彼らの喜びなど知らずに、心の中で呟いた。
そして、木ノ葉の里に入ってからずっと気にかけている存在に目を向ける。
(――――波風ナル。よくここまで純粋に成長したものだ。)
ナルトは事前に得た情報をもう一度振り返った。
(―――姓を波風と名乗っていることから、四代目火影のご息女だとは里に広まっている。しかし、未だ彼女を忌み嫌う者は後を絶たない。アカデミーの成績が芳しくないことから、本当に四代目の子かと疑う者も増えている。暴力は若干減ったようだが、陰口は酷くなる一方だ。いくら三代目火影が気にかけても、人はそう簡単に考えを改めない。…陰口や迷惑を恐れてか、同期の下忍や担当上忍にもまだ心を開ききっていないようだな。信頼できるのは三代目と幼馴染か。男言葉なのも幼馴染の影響だろうな…)
そう結論付けていたナルトの視線の先では、バンッと机を手に叩き付ける少女の姿があった。
「なめんじゃねー!オレは逃げねーぞ!!受けてやる!もし、一生下忍になったって、意地でも火影になってやるから別に良いってばよ!!」
声高らかに、少女の声が教室中に響き渡る。
ナルトが心にかけていた人物―波風ナルが、手を机に叩きつけながら吠えていた。
いつの間にか45分後に出題される10問目のルールが説明されていたようだ。
つい思索にふけってしまったことを反省したナルトは、状況を把握するため頭を働かせる。
(―――10問目を受けるか、受けないかの選択を強いられているのか。『受けない』を選んだ場合、失格。ただし来年も受験可。『受ける』を選んだ場合、正解できなかったら一生下忍ね、……誘導尋問だな)
瞬時にイビキの意図に気づいたナルトは、教室内の暗い空気を蹴散らした少女に目を向けた。
「もう一度聞く。人生をかけた選択だ…やめるなら今だぞ …」
「真っ直ぐ自分の言葉は曲げねえ…オレの忍道だ!」
男口調ではっきりと言い切るナルの言葉は、他の受験生に変化を齎した。
彼らの不安
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