三 邂逅
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うずまきナルトと名乗った少年は、にこにこと笑顔を絶やさずにいる。
対して少女・波風ナルの方は、挑戦的な眼を彼に向けている。
「…そろそろ始まりそうだな。席に着こう、君麻呂 多由也」
ナルトの後ろで、親の敵のように木ノ葉の忍び達を睨んでいた二人は、彼の声で我に返り、いそいそと席を取りに行った。
その二人の後を追う素振りを見せたナルトは何を思ったか振り返り、
「君の、名前は?」と、シカマルに向かって尋ねた。
「お、俺ッスか?」
「うん」
「…奈良…シカマル」
困惑気味に答えるシカマルに、満足げに頷いたナルトは
「じゃあね。ナル、シカマル」
とふわりと笑い、その場から離れて行った。
木ノ葉の下忍達は、試験官の「静かにしやがれ!どぐされヤローどもが!」という怒声が教室に響き渡るまで、呆けたように突っ立っていた。
突然黒板の前で白煙が巻き上がり、複数の忍びが現れた。
その中でも先ほど一喝した大男が、鋭い眼光を下忍達に向ける。
「待たせたな…『中忍選抜第一の試験』…試験官の森乃イビキだ…」
その風貌と眼光の鋭さに、受験生である下忍達は気圧される。
「そこのお前ら!いつまでも突っ立ってないで、とっとと席に着きやがれ!」
イビキの怒号によって、木ノ葉の下忍達は慌てて席に着いた。
全員が席に着いたことを確認したイビキが、試験の説明を始める。
「では、これから中忍選抜第一の試験を始める。志願書を順に提出して、代わりにこの座席番号の札を受け取り、その指定通りの席に着け。その後、筆記試験の用紙を配る」
「ペッ…ペーパーテストォオォォオ!!」
ナルは悲痛な声を上げた。
試験官から答案用紙を配られる。
サスケやサクラ達とは席がバラバラになってしまったナルは、かなり焦っていた。
(うあ〜、シカマルやイノ達とも離れちゃってるし…ヤバいってば…)
(ナルにとっちゃ、最悪の試験ね…フフ、へこんでるへこんでる)
ナルの考えなどお見通しなのか、彼女の席の後方に座ったサクラは内心含み笑いをした。
「ナルちゃん…」
頭を抱えているナルに、隣の席から声がかかった。
「あ!ヒナタ」
「お…お互い頑張ろうね…」
「勿論だってばよ!一緒に中忍になろうな!」
ナルは昔から変わらない笑顔で、ニシシと笑った。
ヒナタは憧れの彼女の笑顔を、若干頬を染めながら眩しそうに見た。
イビキの説明が終わり、試験開始の号令がかけられる。
受験者の下忍達が問題の難しさに汗をかいているちょうどその時、試験開始から僅か5分で、全ての答えを自力で埋め終わった三人の受験者がいた。
イビキが最後の問題を出題するまで時間が余った彼らは、特殊な術を使って堂々と会話をする。
『それで、今まで
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