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第二十二話 すれ違い
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んお待ちでしょうし中へ入りましょうか」
よく考えたらここは生徒会室の前だ。結構な時間が経っており、他のみんながここに来たのを見ていないということは、既に中にいるということだ。
僕は二人を促し、僕の大事な仲間の待つ生徒会室へと入っていった。
◇
「……虚とは全然性格が違うんだな」
「ん、でもなんか癒しオーラというか、ウチと似た匂いを感じるッス。ダリル先輩こういうの好きッスよね?」
「あ? それは暗にお前が癒し系だって言ってるのか? いくらなんでも図々しくないか?」
「そんなこと言って、知ってるッスよ! 学園に迷い込んでいた野良ネコに『フォルテ』って名前つけて餌あげてたの」
「てめぇ、なんで知ってんだ! だいたいそれは何匹もいたから生徒会のメンバーの名前適当につけてっただけじゃねぇか! だいたいお前の名前なんて一番小汚い奴につけたはずだぞ」
「なんですとー! それが可愛い後輩に対する仕打ちッスか!?」
本音を見るなり、ワイワイと漫才のようなやり取りを始めたのはフォルテとダリル。最初から、比較的ダリルに懐いていたフォルテだが、今ではすっかり姉妹のようだ。訓練も共にしていることが多いらしく、今では二人専用のタッグ技まで開発したほどだ。
ある意味、個性的ともいえる本音もこのメンバーの中ではそれほど違和感もないらしく簡単に受け入れられた。もとより周囲の目など気にした様子もない本音は、二人のやり取りも気にせずに自身のケーキに夢中で、今は剥したテープについたクリームを満面の笑みで舐めとっている。
「またそんなことして……。お止めなさい、本音」
「うふふ、別にいいじゃない。別に畏まった会じゃないんだし」
「そうですね、ここでは誰も気にしませんし」
虚は、行儀の悪い妹に対して叱りつけるも周りから援護の声がかかる。
楯無も紫苑も、子供のように嬉しそうにクリームを舐めている本音を止めるような真似はしたくなかった。そして、普段から行儀の悪い者も数名いるため特に気にしないというのも本当だった。紫苑はチラっとその二人に目をやるも特に名前を出すようなことはしない。
「はぁ……わかりました。ですが、この子のためにもなりませんので、あまり甘やかさないでくださいね」
「ふふ、わかってるわよ」
「えぇ、わかりました」
とはいえ、紫苑と楯無も妹の普段の行いを心配する姉の気持ちを理解はしているので、度が過ぎれば注意はするつもりであった。
だが、少なくとも今は目の前の幸せそうな少女を見ている中でそんな気は起きないようだ。
その後、自然と話題は本音のクラスメートでもある織斑一夏とセシリア・オルコットの先日の一件についてとなる。
要領を得ない本音の話ではあったが、幸いにもここには虚と楯無
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