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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百四十四話:報告と確認
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難みも薄れるので、簡単にいかないのはまあ仕方ないとして。

「……絶対に使えないわけでは、無いんですよね?」

 可能性がゼロではないなら、ダメ元で試してみたいわけでして。

「まあ、向いておらぬにも程度の差というものがあろうからの。適性を身に付け習得を試みた者の中で、限界まで鍛え上げた者の数も、実際のところ多くは無かろうし。勇者の呪文という割には魔物の中にも使えるものがおるという話もあるしの、可能性は皆無とは言えぬの」
「そうですか。では、やはりそれも。可能性があるなら試したいので、よろしくお願いします」
「うむ。では最後に、一日に身に付ける適性の数じゃが。ルーラの調合を終えた後、頭が痛んだのを覚えておるか?」
「はい」

 ヘンリーに庇われてどこも打ってないはずなのに、なぜか痛んだアレですね。
 もちろん、覚えてます。

「生まれ持たぬ性質を、後から無理矢理に植え付けるわけじゃからな。相応に、体にも負担がかかる。一日に身に付ける適性は多くとも三つ、全ての適性を身に付けるような無茶を試みるのであれば、念のため二つ程度に抑えておくべきじゃの」
「わかりました。では、それで」
「待ってください」

 了承して話を終わらせようとしますが、今まで黙って聞いていたヘンリーがここで口を挟んできました。

 先生が、咎めるように眉を顰めてヘンリーに問いかけます。

「なんじゃ?只でさえ無茶な話なんじゃ、これ以上の無茶は聞かぬぞ」
「いえ、そうではなくて。体に負担がかかるというのは、どういうことですか?場合によっては……後遺症が残るようなことなら、コイツにそんな無茶をさせる訳には。それならコイツにさせなくても、俺が代わりに身に付ければ」

 神妙な様子で先生に申し出てますが。

 なんだ、その提案は!

「……ちょっと、ヘンリー」

 色々と、突っ込みどころが多すぎるんですけど。

 後遺症が残るのが、私はダメで自分ならいいとか。
 代わりに身に付けるってやっぱり最後まで一緒に来る気かとか、私の問題なのになんでそこまでするのかとか。
 私にポイ捨てされてもいい的なことを言いながらそこまで尽くすって、ちょっと自己犠牲が過ぎやしないかとか。

 どこから突っ込むべきか、どうやって突っ込むべきかと私が迷っているうちに、得心がいったというように頷いて顎をさすりながら、先生が答えます。

「ふむ、そういうことか。適性を得ること自体にそのような問題は無いゆえ、その点は心配は要らぬ。ただ、痛みを受けるというストレスも、積み重なれば馬鹿にならぬものでな。甘く見ればそれだけで胃に穴が空いたり、その他にも体に不調を来すことになりかねぬ。十分に心と体を休めて後遺症等を残さぬようにと考えた結果が、先程の提案じゃて」

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