第1章 悪魔のような聖女のような悪魔
第7話 凸凹姉妹
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バイしていたことがばれてしまう。
ばれてしまえば、どうやって場所とタイミングを合わせたのか追求されることになる。
下手すれば、サーチャーの存在に勘付かれるおそれすらある。
「――――と、いうわけで、ボクとリインフォースの二人で現場に向かうことにするよ。買い物帰りを装えば、本当に偶然遭遇したのかを疑いはしても、断定することはできないだろうからね」
「理由については納得しました。しかし、危険ではありませんか?」
「ううん。所詮は、はぐれ悪魔だ。『原作』で最初の敵だけあって、素人の兵藤君にすら倒されるほどだよ」
「たしかに、いままで討伐してきたはぐれ悪魔の戦闘力と原作知識とやらを考えれば、問題ないかもしれません」
「そうだろう?だったら――」
「しかしながら、あえて主はやての身を危険にさらす行為には、賛同しかねます」
「シグナムの言う通りですよ。わたしも、少し心配かな。もしものときのために、回復役がいた方がいいのではないかしら」
「私としても、主の自宅警備員として傍に控えさせていただきたいです」
旗色が悪くなってきた。いまのところ、シグナム、シャマル、ザフィーラは反対の立場をとっている。
リインフォースは、一緒についてくるから除外するとして、残るはヴィータのみ、か。
「うーん。賛同者はなし、か。ヴィータ姉はどう思う?」
「あたしは賛成するぜ。どうせ、これから戦いは厳しくなっていくんだ。いまから怖気づいていたら、後で苦労する羽目になる。それに、リインフォースがついているんだ。滅多なことにはならないだろうさ」
「マスターの身を、必ず守ることを約束します。鉄槌の騎士の言う通り、これからマスターは戦いに身を投じていくことになりますから。早いうちに、慣れておいて損はないはずです」
「うんうん。ヴィータ姉の言う通りだよ。ボクがしてきた修行の成果は知っているでしょ?」
「……わかりました。たしかに、ヴィータとリインフォースの言う通りだ。主はやてに従うことにする。皆も異存はないな?」
ふぅ。シグナムたちを、なんとか説得することが出来た。
皆、ボクの身の案じていることが伝わってきて、ちょっとばかり、こそばゆい。
特に、ヴィータの援護射撃には感激してしまった。
「ヴィータ姉」と呼んでいるのは、決してからかいの気持ちからだけではない(少しはあるが)。
ボクは、彼女を本当の姉のように思っている――口に出すのは恥ずかしいけれど。
だから、姉に認められたようで嬉しく、そして誇らしかった。
所詮バイサーは、序盤のヤラレ役に過ぎない。
この程度の相手に苦戦するようならば、今後の計画を大幅に軌道修正する必要があるだろう。
―――
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