暁 〜小説投稿サイト〜
『八神はやて』は舞い降りた
第1章 悪魔のような聖女のような悪魔
第7話 凸凹姉妹
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 兵藤一誠が転生悪魔となってから、数日が経った。
 その間、サーチャーを使って彼のことを監視していたが、目立った動きはなかった。
 いや、まあ、悪魔見習いの活動はある意味すごかったが。
 ダンディなおっさんの魔法少女コスチューム姿なんか、誰が好き好んで見たいと思うのだろうか?
 というか、リアル魔法少女――――現在の姿、年齢を考えると「少女」は微妙かもしれない――――として、文句の一つもいいたいところだ。


 兵藤一誠には、心底同情してしまう。
 秘密裏に監視しているので直接慰めることはできないが。
 前もって、原作知識で知っていたボクでさえ、大きなトラウマを残したのだ。
 ヴィータは、睡眠中、苦しげにうなされていたし、リインフォースなんか、その場で気絶していた。
 ただ、シャマルだけは、目が輝いていたのは、なぜだろうか。
 ……気にしてはいけないな、うん。


(毎日のように、男性の行動を監視するとは――まるで、恋する乙女みたいだな)

 
 愛なら仕方ないね!


 と、ストーカー行為を正当化してみる。
 さすがは、原作主人公。
 監視していると、意外と好青年であることがわかる。
 普段の変態振りがなければ、もっとモテただろうに。
 でも、ボクが彼に恋することがあるか?と言われれば、否だろう。
 いまだに、性別には、戸惑いを感じる。
 女性であることは間違いないのだが、ね。


 自嘲しつつも止めるわけにはいかない。
 そんなストーカー生活が日常になりつつある今日この頃。
 今日も今日とて、サーチャーごしに、兵藤一誠の映像を垂れ流している。
 すると、外国人の美少女が、彼に道を尋ねていた。
 一瞬頭を悩ませ、すぐに答えが出た。
 彼女の名は、「アーシア・アルジェント」という。


 ――――近い将来、一誠ハーレムの構成員の一人になる予定の少女である


 傷を癒す神器『聖女の微笑(トワイライト・ヒーリング)』の持ち主であり、心優しい少女である。
 彼女は幼いころから、教会で、傷を癒す奇跡を起こす聖女として、祭り上げられてきた。
 ところが、ある日、悪魔の傷を癒したことで教会から追い出されてしまう。
 行くあてのなくなったアーシアは、堕天使に保護――という名のもとに利用されることになった。
 

 レイナーレが、彼女の身柄を拘束し、とある目的のために生贄にしようと目論んでいるはずだ……原作通りなら、という注釈がつくが。
 現在、彼女と兵藤一誠は、英語で流暢に会話している光景が、サーチャー越しに映っている。
 言っては悪いが、彼の頭の出来はあまり良くない。
 もちろん、英会話などできるわけない。
 にもかかわらず、彼が英語で会話できる理由は、一重に悪魔化し
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ