第1章 悪魔のような聖女のような悪魔
第7話 凸凹姉妹
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兵藤一誠が転生悪魔となってから、数日が経った。
その間、サーチャーを使って彼のことを監視していたが、目立った動きはなかった。
いや、まあ、悪魔見習いの活動はある意味すごかったが。
ダンディなおっさんの魔法少女コスチューム姿なんか、誰が好き好んで見たいと思うのだろうか?
というか、リアル魔法少女――――現在の姿、年齢を考えると「少女」は微妙かもしれない――――として、文句の一つもいいたいところだ。
兵藤一誠には、心底同情してしまう。
秘密裏に監視しているので直接慰めることはできないが。
前もって、原作知識で知っていたボクでさえ、大きなトラウマを残したのだ。
ヴィータは、睡眠中、苦しげにうなされていたし、リインフォースなんか、その場で気絶していた。
ただ、シャマルだけは、目が輝いていたのは、なぜだろうか。
……気にしてはいけないな、うん。
(毎日のように、男性の行動を監視するとは――まるで、恋する乙女みたいだな)
愛なら仕方ないね!
と、ストーカー行為を正当化してみる。
さすがは、原作主人公。
監視していると、意外と好青年であることがわかる。
普段の変態振りがなければ、もっとモテただろうに。
でも、ボクが彼に恋することがあるか?と言われれば、否だろう。
いまだに、性別には、戸惑いを感じる。
女性であることは間違いないのだが、ね。
自嘲しつつも止めるわけにはいかない。
そんなストーカー生活が日常になりつつある今日この頃。
今日も今日とて、サーチャーごしに、兵藤一誠の映像を垂れ流している。
すると、外国人の美少女が、彼に道を尋ねていた。
一瞬頭を悩ませ、すぐに答えが出た。
彼女の名は、「アーシア・アルジェント」という。
――――近い将来、一誠ハーレムの構成員の一人になる予定の少女である
傷を癒す神器『聖女の微笑(トワイライト・ヒーリング)』の持ち主であり、心優しい少女である。
彼女は幼いころから、教会で、傷を癒す奇跡を起こす聖女として、祭り上げられてきた。
ところが、ある日、悪魔の傷を癒したことで教会から追い出されてしまう。
行くあてのなくなったアーシアは、堕天使に保護――という名のもとに利用されることになった。
レイナーレが、彼女の身柄を拘束し、とある目的のために生贄にしようと目論んでいるはずだ……原作通りなら、という注釈がつくが。
現在、彼女と兵藤一誠は、英語で流暢に会話している光景が、サーチャー越しに映っている。
言っては悪いが、彼の頭の出来はあまり良くない。
もちろん、英会話などできるわけない。
にもかかわらず、彼が英語で会話できる理由は、一重に悪魔化し
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