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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第80話 勝利の後に
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に居る俺と、彼女に押しのけられて、少し不満げな雰囲気を発して居る湖の乙女以外には聞き取れなかったと思われる大きさの声で。

 しかし……。

 俺は改めてマジマジと崇拝される者ブリギッドを見つめる。
 今は霊気が活性化してないが故に長い、柔らかな質感を示す黒髪が優美に風にそよぐ。
 但し、今は彼女の容姿に関してはどうでも良い。問題なのは……。

 大き目の襟を持つ濃い水色の冬用のセーラー服姿。但し、湖の乙女が羽織っている薄いカーディガンを彼女は羽織ってはいない。
 スカートに関しては、湖の乙女と同じぐらい。大体、膝上十センチ程度のミニスカート姿。もっとも、故に身長が低い彼女で有りながらも相対的に脚が長く見える効果を生み出している。
 そして、膝上までの黒のニーソが彼女の脚を護る。

 続けて、俺の右側に立つ妖精女王ティターニアに視線を送る。
 今宵……いや、今朝の彼女の出で立ちはと言うと……。

 襟の広い濃い水色のセーラー服。その襟の胸元には他の二人と同じ、そして、彼女の長い黒髪を左側で纏めて居るのも同じ紅いリボン。
 尚、彼女の方は湖の乙女と同じ濃いブラウンのカーディガンを纏う。
 そして、スカートに関しては、彼女の場合、膝丈のセーラー服と同じ色合いのプリーツスカート。

 そう。今朝のこの三人は何処からどう見ても、地球世界の女子学生。但し、ブリギッドは女子小学生で、湖の乙女が中学生。ティターニアは女子高生、と言う雰囲気なのですが。

 成るほど、この世界の精霊王の制服はセーラー服に統一されているんだな。
 ……などとアホな事を考える訳はなく。

「湖の乙女。オマエさんの姿形を……、その姿で有る事を望んだのは俺だったんやな?」

 以前に聞いた内容を再び問い掛ける俺。当然、以前に返された内容と同じ答え。つまり、真っ直ぐに俺を見つめた後に、微かに首肯いて答えてくれる湖の乙女。

 ……成るほど。どうやら、俺の心の中には自分でも気付かない部分で、セーラー服に対する強い拘りが存在するらしい。
 そして、その俺の強い拘りを感じ取ったこの世界の精霊王たちが、その俺の好みの服装を着て顕われるように成った。そう言う事なのかも知れない。

 そもそも、最初に出会った時には、ブリギッドは修道女姿でしたし、ティターニアはイブニングドレスを纏った姿でした。

「ティターニア。そのセーラー服姿の理由は、俺に原因が有ると言う事なんやな」

 もう、心証としてはかなり黒に近いモノを持って居るのですが、流石にそんな妙な性癖を心の奥底に持って居る事を認めたくはないので、一縷の望みを託してティターニアに対して質問を行う俺。
 この問いを彼女が否定してくれたのなら、多少は俺がセーラー服に拘りを持って居ないと言う証拠に成
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