反董卓の章
第18話 『お兄ちゃん、負けないで』
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拠、あんの?」
「……………………ない」
「あちゃー……」
まーそう聞くと、アタイらにしてみればあの兄ちゃんが怪しいって思うけど。
でも、何も証拠がないんじゃなぁ……
「でも……あの人、最近私兵雇っているみたいだし。いかがわしい人物との接点もあるみたいなの……証拠はないけど」
「ううん……」
「それにね。あの人が来てから、兵の中に素性の怪しい兵がまぎれているでしょ? それが不安で……」
「うーん……」
あの兄ちゃんがなぁ……
まあ、斗詩の心配はわかるけど……
「……わかったよ。この戦が終わったら、アタイも色々調べてみる。もし、あの兄ちゃんが私腹を肥やしていたり、姫を唆して悪いことしているなら……アタイがぶった斬る」
「文ちゃん……信じてくれるの?」
「は? 当たり前じゃん。斗詩がそう言うんだから、そうだろ?」
「文ちゃん……」
うわわ、どーした、斗詩!
いきなり泣き出しちゃって!?
「ありがと……文ちゃん、ありがと……」
「な、泣くなよ、斗詩ぃ……アタイが斗詩や姫を信じるのって、あたりまえのことだぜ?」
「うんっ……うんっ!」
「だろ? へへっ……斗詩は泣き虫だなぁ」
「ぐすっ……も、もう! すぐからかう……」
「へへへっ」
うん。
やっぱ、斗詩は笑っていなきゃな!
「さーて! じゃあ、前線を助けに行くかあ!」
―― 唐周 side ――
「準備はいいな……」
俺は背後にいる俺直属の兵に問いかける。
「はっ。毒矢、毒短刀など、いつでもいけます」
俺が集め、そして用意させた兵。
その数、千。
「よし……では、前線に紛れていつでも攻撃できるようにしておけ。合図は、空に赤い帯の矢が上がった時だ」
「はっ!」
そうして俺の息のかかった兵が、前線へとむかう文醜、顔良の兵へと紛れ込んでいく。
「よし。あとは……状況次第だ。あの馬鹿を連れて、前線に出ないとな……」
最終局面はあの馬鹿自身が決めないと――とか言えば、あの名誉欲の馬鹿は前に出るだろう。
「ようやく殺せるぞ。北郷盾二……」
そしてすべての罪を袁紹にかぶせて、俺は別の主を見つけてやるさ。
全ては俺の思惑通りに――
―― 盾二 side ――
……!
俺は身の毛もよだつ様な悪寒を感じて、距離を取る。
一撃――あの呂布の顔面に、一撃を叩き込んだ。
相手は、まともにそれを食らったように見えた。
なのに――なぜだ。
何故……俺が退った?
顔を上げれば、相手は確かに俺の拳を喰らい、十m程足を踏ん張った為に出来た轍がある。
にも拘ら
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