反董卓の章
第18話 『お兄ちゃん、負けないで』
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?」
「……どんな?」
アタイの言葉に、斗詩が首をひねりながら呟き始める。
「え、ええと……例えば、人に迷惑はかけても、自分が悪いと思ったら素直に謝るところとか……まあ、大抵は散々言い訳してからだけど……あと、権力には弱いけど、全部が言いなりになるようなことはなかったじゃない? ……半分以上は自分でいいように解釈してたけど」
「う、うん……」
「それに私や文ちゃんにだけは、いつでもどこにでも必ずお伴させていたよね? 大抵、私達が割りを食わされてはいたけど……で、でも、辛いことがあっても楽しいことがあっても、必ず私達にだけは毎日話をしてくれたじゃない? でも、あの人が来てからは……」
「う〜ん……まあ、確かに。最近の麗羽様は、いっつもあの兄ちゃんばっかり相談してるな。最近じゃ閨にも呼ばれないし……」
いつもイライラしている時は、アタイか斗詩を閨に呼んで散々愚痴聞かせたりしていたのに……
「なんかね……最近、陣営の内外で、麗羽様の悪い噂が広まっているの。以前はただ無茶する人だったけど、最近じゃそれが非道と言われ出していて……」
「……へ?」
非道……?
あの姫が?
「無茶な兵役を課したり、増税したり……蔵にはまだ大量に金蔵があるのに、なんで増税する必要があるの? そんなこと、麗羽様は今まで一度もしなかったのに……」
「まあ、そうだよなー……お金が少ないなら『お祭りして賭けで稼ぎますわ』とか言って、胴元泣かすぐらいに大勝ちする人だし」
姫って実は、ものすごーく賭け事にだけは強いんだよなぁ。
しかも全財産を毎回賭けるから、そのたびに資産が増えていくし。
今の袁家の膨大な資産の半分は、姫の博打で得た財産だったりする。
「兵役だって、怪我した兵がいたら『無理をしないで休みなさいな。これは治療費ですわ』とか言って一ヶ月分の給金をお小遣い感覚で出しちゃうような人だよ? 小さい子が『えんしょーさま、ありがとー』って言ったら、真っ赤な顔して後で照れまくっているような人だよ?」
「う、うん……よく覚えてるな、斗詩」
「麗羽様は、本当はそれぐらい優しくて思いやりのある人だからだよ! いつも思いつきで馬……無茶やって、高飛車に言い訳するから悪く思われがちだけど!」
「……斗詩。褒めるのか貶すのか、どっちかにした方がいいと、アタイは思うよ?」
しっかし、正直驚いた……
斗詩って、実はすごく姫への忠誠心が高いんだなぁ。
ちょっと、いや、かなり驚いた。
「そんな人が非道なんてする!? するわけないよ!」
「……じゃあ、なんでそんな噂が……」
「……あの人」
「へ?」
「……あの、唐周って人がやっている、と思う」
え?
あの兄ちゃんが?
「……証
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