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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第18話 『お兄ちゃん、負けないで』
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 いいですこと! わたくしが総大将を務める連合軍が負けることなんて許されないのですのよ!? 今すぐ前線に赴いて、董卓軍をけちらしていらっしゃい!」
「あらほらさっさい〜」
「あ、あらほらさっ……もう。これいうのヤダぁ……」

 姫のいつもの直感的指揮(いきあたりばったり)が始まったぜ。
 まあ、いつものことだし、アタイは別にいいんだけど……

「な〜斗詩ぃ?」
「……なぁに? 文ちゃん?」

 いとしの斗詩は、最近ちょっと不貞腐れているように感じているんだよな。
 たぶん、アタイのせいじゃなくて、あの文官の兄ちゃんのせいだろうけど。

「姫から直々に命令もらうのって、なんか久しぶりな気がしないか?」
「…………うん」

 斗詩はどことなく寂しそうだ。
 アタイは姫の無茶が減っているから、逆に楽でいいんだけど。

「いつもはあの薄気味悪い兄ちゃんが小難しいこと言ってくるんだけどな。あの兄ちゃん、どこ行ったんだ?」
「……知らないわよ。別にあんな人、どうでもいいし」
「お? お? なになに? 斗詩ってもしかして……」
「……なによ」

 ふっふっふ……斗詩ぃ。
 アタイは全部わかってるんだぜぇ?

「最近、姫にかまってもらえないから……焼きもち妬いぶべらっ!?」
「なによ! 文ちゃんまで! 私をからかうなら時と場所を選んでよっ!」
「あたた……が、顔面はひどいよ、斗詩ぃ……」

 いきなり金光鉄槌(きんこうてっつい)で顔面を殴ってきたし。
 アタイみたいな頑丈なのが相手だからいいけど、お嬢やあの兄ちゃんだと死んでいるんじゃないかなあ?

「悪かったって……でも、確かにあの兄ちゃんが来てからなんか変わったよな、姫。なんていうか……無茶が減った?」
「………………」
「わがまま言うことは多いけど、基本まともになったというか……」
「……文ちゃん。ほんとうにそう思ってる?」
「え?」

 言われて斗詩の顔を見ると、その顔は不安げな顏だった。

「私ね、今の麗羽様は、私達の主の麗羽様じゃないような気がするの……」
「……? 麗羽様が麗羽様じゃない? 姫が偽物ってこと?」
「ち、違うよぉ……その、ね。今の麗羽様って……なんか、ただの悪者にしか見えないの」

 ただの悪者……?

 っていわれてもなぁー……昔っから姫の小悪党ぶりは見てきたし。
 自分に都合がいい様に解釈して、無理難題を相手にふっかけて……

「……あのね。あの人がくるまでの麗羽様は……そりゃあ小狡いところがあって、基本高飛車で、相手の面子より自分の面子を優先させるような人だったけどさ」
「……斗詩。アタイより酷いこと思ってたんだなぁ……」
「そ、それでもね……それでも……いいところもいっぱいあったでしょ
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