反董卓の章
第18話 『お兄ちゃん、負けないで』
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雛里が、不思議そうに見上げてくる。
「あ、いや……なにか、胸騒ぎが――」
「見えたよ!」
「あ、ハイ!」
私の言葉に被せるような馬岱の言葉に、雛里がそちらへと答える。
……しかし、今のは一体――
―― 貂蝉 side ――
「……っ! もう、すこ、し……」
「グハッ……この、龍脈、かなり、きついわい……」
「あと、ちょっ……ぶらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
―― 呂布 side ――
殺った――
恋はそう、確信した。
でも、なにか手応えが――
「……ぐ」
?
目の前に……黒いのがいる。
恋の戟を、受け止めた……?
「……ざけんな」
「……?」
男の……声?
「俺の弟子に……」
ぐぐっと恋の戟が……持ち上がる?
「なにしてんだぁああああああああああああああっ!」
黒い服が弾けるように膨れ上がる。
そう感じた時、恋の戟が弾かれるように跳ね返された。
「……?」
その異様さに、思わず恋は飛び退く……
「……? お前……誰?」
そこにいたのは……黒い服を着た男。
男が……恋の戟を受け止め、跳ね返した?
こんな男、知らない――
「……本当は戦わない方法を探すつもりだった」
男は恋の言葉を無視した。
戦わない方法……?
「董仲穎殿を平和裏に助け出し、歴史の再現もおこなう。そのつもりだった……」
……歴史?
この男、なにを言っている?
「だが、もういい……もう関係ない」
男が顔を上げる――その目の光に、恋は戟を構える。
……?
恋が、戟を……?
「歴史なんか知ったことか! 鈴々を殺そうとした相手なら!」
その男の目に、鈍い光が宿る。
こいつ――
「おにい、ちゃ……」
後ろのちっこいのが、ゆっくり後ろに倒れていく。
それを見た瞬間。
殺気が、迫ってきた。
「呂布――」
!?
はやっ……
「消えろっ!」
その拳が、恋の構えた戟を弾き飛ばした。
―― 張遼 side ――
「ちいっ……こらまずいわ。騎馬隊はさがりぃ! 後方の歩兵隊、前に出ぇ!」
ウチは、騎馬隊に迫り来る敵兵をあしらいながら声を張り上げる。
失敗やった……乾坤一擲の大博打、それは見事に負けた。
(くっ……なんやねん、あの策は! 曹操……とんでもないやっちゃ)
まさか自分を囮にしての鶴翼の挟撃――いや、ようわからんけど、あないな連携を即興で行うやて!?
――甘かった。
盾二が怖れるは
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