反董卓の章
第18話 『お兄ちゃん、負けないで』
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けど……なんで。
なんで……武器が消えて――
「ガッ!?」
気が付くと、鈴々は宙に浮いていたのだ。
一体、なにが――
「――ガフッ! ゴッ……あ……」
一瞬意識が遠のく。
気が付くと、地面が見えたのだ。
……鈴々は、なんで地面に倒れているのだ?
「……恋、言った。お前ら仲間じゃない。なら……本気じゃないけど、手加減はしない」
首を少しだけ動かす。
そこにいたのは、汗一つかいていないりょふのおねーちゃんの姿……
「……? いや、間違い。ちょっとだけ、本気でもあった。でないとお前、倒せなかった。そこだけは間違い」
……鈴々は、やられたのか?
頭がくわんくわんいっているのだ……
でも。
「……まだ、なの、だ……」
腕と足、そしておなかに力を入れる。
鈴々は……鈴々は、これでも燕人と呼ばれた女なのだ。
「……驚いた。お前、今ので起きてくる?」
目の前のおねーちゃん……いや、りょふ、呂布は。
認めたくないけど……認めたくないけど……
「……呂布、は。鈴々より、強い、のだな……」
傍に転がる蛇矛を拾う。
……おかしいな。
鈴々の蛇矛は……こんなに重かったっけ?
「……立ったけど、お前ボロボロ。なのに何故立つ?」
心底不思議、そんな様子で鈴々を見ているのだな、呂布……
そんなの……そんなの、簡単なのだ……
「鈴々は……死ぬわけには、いかないのだ……まだまだ美味しいものを食べたいし、お兄ちゃんにも稽古つけてもらわなきゃならないのだ……」
「………………」
「愛紗と一緒に、桃香お姉ちゃんの夢のために……死ぬ時は三人一緒、と誓ったのだ……だから」
「……そう。でも、それ無理。お前、ココで死ぬ」
呂布が……笑いもせず、泣きもせず、ただ無表情の顔で、そう言う。
「っ! 鈴々は! 死なないのだっ!」
「……さよなら」
その腕が、今度こそ消えたように視えて――
鈴々は。
死んだ――
―― 劉備 side ――
「!?」
なに……?
今の寒気は。
心の中に、悪寒が通り過ぎていったような……
―― 関羽 side ――
「!?」
董卓軍の騎馬を打ち倒した瞬間。
なにか、自分の半分が消えるような感覚に陥る。
「今の――桃香様!? 鈴々!? ご主人様!?」
―― 趙雲 side ――
「!?」
……今、なにか……
馬を走らせる私は、その胸を押さえる。
「どうしました? 星さん……?」
私の前で一緒に馬に乗る
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