暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校の神童生
Episode20:十字の道化師
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だときだった。
右足で踏み込み、柄を握る手に力が篭る。そのまま振り抜こうとした瞬間、男は隼人に頭を掴まれ地面に叩きつけられた。

「がッ…!?」

一瞬の出来事についていくことができず、受け身をとれなかった男は後頭部を地面に強打した。それでも意識を失わないのは、咄嗟の判断で魔法を発動したためか。
だがそんなことは隼人には関係ない。早々に決着をつけるべく電流を流そうとする。

「くっ!」

だが、先ほどまでの隼人の戦闘を見ていたためか、男は隼人のしようとしていることを理解し慌てて隼人の腹を蹴って距離をとった。

「…流石に簡単に殺れはしないか」

やはり、今まで倒してきた相手とはレベルが違う。
隼人の攻撃方法を知っているだけなのかもしれないが、あのゼロ距離放電を回避したのはこの男が初めてだ。更に、地面に叩きつける際の後頭部を守るために使用した硬化魔法。体が受け身を取れていないにもかかわらず咄嗟に魔法を発動できるスピードも驚くべきものだ。
距離が離れたのを好機と見て、隼人は両手に嵌めていたシルバーフィストを外した。

「CADを外しただと…?ナメているのか?」

隼人がシルバーフィストを外したのを見て怒気を露わにする男。普通、魔法師はCADを介することにより素早く、また効力の高い魔法を発動させられる。逆に、CADを使わないで魔法を発動すると、なにか特別な資質でもなければ実戦ではまるで使い物にならない程度の威力の魔法しか発動できない。即ち普通の魔法師がCADを外すという行為は、自分の全力を出さないという意思表示になる。
しかし隼人は、そのなにか特別な資質を持つ人間だ。そのことを、男は知らなかった。

「ナメてるかどうかはアンタが判断しな」

その声を男が聞いたのは、既に懐深くに隼人が入り込んだときだった。驚愕に目を見開きながら慌てて回避しようと右足に力を込める。だが、突如銃声が鳴り響き弾丸が男の右太腿を撃ち抜いた。いつの間にかベレッタの引き金を引いていた隼人を睨みつけて、痛みで入れかけていた力が抜ける。回避を不可能だと判断した男は防御を選択した。
隼人のアッパー気味に喰い込んでくる拳を鞘で防ぐ。だが、その程度で筋力強化した隼人の拳を受け止めきれるはずなく、男は大きく後方に後退した。
ビリビリと痺れる両手に苦い顔をして追撃に備える。

「はぁッ!」

十数mの距離を一瞬で詰めた隼人の拳が振り上げられた。反射的に刀を体の前に構えると再び衝撃が刀を通して腕に伝わる。
続けて受けたら間違いなく負ける、そう判断した男は隼人の拳戟をなんとか掻い潜って距離をとった。
すぐに追撃しようとする隼人だが、男の魔法発動のほうが早かった。足が、途端に動かなくなる。

「硬化魔法か…!」

よく
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