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人形の姫と高校生の鬼
今ある日常-1-
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本当に驚いたのだろうか、何故かその場で飛び跳ね始めた葉山。若干呆けていた葉山だが一瞬ハっとした顔になり、俺に耳打ちしてきた。

「タケ君の彼女って・・・・・・小学生とかじゃないよね?」

「・・・・・・安心しろ、一個下って聞いてる」

彼女が何を言わんとしているかはわかっている。タケは・・・・・・そう、「年下が好き」なんだ。俺と葉山が心配になるほどその・・・・・・年の離れた子が。


「んじゃ、俺はここまでな。また明日よろしく」

「ん、お疲れ」

「またね〜」

学校指定の鞄を肩に背負い直し、タケは駅に向かって走り出した。実は駅と俺らの家の方角は逆だったのだが・・・・・・まったく彼女との時間、もっと大事にしてやりゃ良いのに。

「変に気を遣ってるっつーか・・・・・・物好きな奴だな」

「へ?何が?」

さぁね、と葉山に素っ気無い返事をし、俺達二人は自分達の自宅へ戻る。先程より日が落ちてきている。夕焼けが、いつもよりとても紅く感じた。一体これから、どれ程同じ景色を見る事が、どれ程皆との時間が過ごせるのだろうか。

あの夢の光景と、この夕焼けの景色が重なって。

俺はそんな事は考えていた。


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