第1章 悪魔のような聖女のような悪魔
第6話 乙女はボクに恋してる
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ボクは、毎日こうして綺麗どころに囲まれた日々を過ごしている。
学校では先輩や友人、後輩たちと。自宅では、リインフォースたちと。
きっと、前世のボクでは考えられないような生活を送っているだろう。
そんなボクの最近の悩みは――――
「はい!わたしたちも、楽しみに待っていますからね!!」
「みんな大げさだなあ」
「とんでもないです!駒王学園『三大』お姉さまとご一緒できる機会なんて、滅多にありませんから」
――――『三大お姉さま』という称号である。
原作では、リアス・グレモリーと姫島朱乃の二人が、駒王学園の二大お姉さまを構成していた。
しかし、この世界では、八神はやてが、ちゃっかりと加わっている。
こんなことで原作ブレイクするとは、予想外だった。
ボクは、特別なことをした覚えはない……ないのだが、
『凛々しい』
『かっこいい』
『男らしい』
といった風評が、中学校時代には既に流れていた。
いつの間にか『お姉さま』と呼ばれ、当時は生徒会長を務めていた。
駒王学園に入り、一時は鳴りを潜めたものの進級したことで、再燃したようである。
なんとも百合百合しい青春を送っているものだ。
嬉しいかどうかといえば、慕われるのは純粋にうれしい。
では、恋愛対象としてみられるかといえば、否だ。だが、男と付き合う気もない。
我ながら枯れているなあ、と苦笑してしまう。
後輩から呼ばれるだけならまだいい。しかし、
――――困ったことに、同級生にまで、お姉さまと慕われているようなのだ。
たしかに、おそらく男だったであろう前世の性別やら精神年齢やらを考えれば、お姉さま呼ばわりは、妥当な評価なのかもしれないが……。
バレンタインデーは大変だった。
下駄箱いっぱいのチョコレートとか、創作物の世界だけのものだと思っていた。
というか、下駄箱に入っていたチョコレートを食べるのは抵抗がある――衛生面的に考えて。
次の年からは、「机の中に入れてください」と張り紙をした次第である。
机の中どころか、机の上にチョコレートタワーができていて卒倒しそうになったが。
ボク?ボクは義理チョコ、家族チョコと友チョコだけだよ。
前回は、シャマルのチョコレートテロ事件なんかもあったな。
と、まあ、益体もないことを考えつつも、兵藤一誠とレイナーレのデートを覗き続けていた。
(結局、原作通りになったか)
(そのようです。リアス・グレモリーに感づかれる前に、帰宅します)
(ありがとう、ザフィーラ)
「――――よし。これで一安心だな」
「はやてお姉さま、何が一安心なんですか?」
「ん?ああ、冷蔵庫の中身を
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