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『八神はやて』は舞い降りた
第1章 悪魔のような聖女のような悪魔
第6話 乙女はボクに恋してる
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がら、未知の魔法に対して常に身構えることは、難しい。
 すなわち、ボクたちが秘匿する限りにおいて、リカルなのは世界の魔法は、重要なファクターとなりえる。


(おい、それくらいにしておけ。我々が為すべきことを忘れるな)

(先ほどから、蒼き狼が、居心地悪そうにしていますね)

(……気にするな)
 

 さて、原作通りなら、兵藤一誠は、このまま神器狩りに巻き込まれるはずだ。
 デートの帰り、神器を狙うレイナーレに攻撃され、彼は瀕死の状態になる。
 死にかけながら、偶然にも悪魔契約用のチラシを握りしめ――――召喚されたリアス・グレモリーに救出され、悪魔に転生する。
 ザフィーラをつけたのは、もしもの場合、兵藤一誠を救助するためである。
 この世界は現実であり、必ずしも物語通りに運ぶとは限らないのだから。
 ボクたちなど、イレギュラーの最たるものだろう。


(他人のデートを覗きみるなんて、われながら趣味が悪いよな)


 と、内心つぶやきつつ監視を続ける。
 正体を知っているとはいえ、天野夕麻は美人である。
 兵藤一誠も原作主人公なだけあって、外見は整っている。
 なかなか絵になるカップルといえよう。
 彼の場合、普段の言動がすべてを台無しにしていると思う。


「――さま、明日のご予定は空いていらっしゃいますか?」

「ん?ああ、明日の予定だったか。ちょっと、これから忙しくなりそうなんだ。しばらくは付き合えなくなると思う。ごめんね」


(原作が始まって忙しくなるだろうし)

(主はやてが自ら動かずとも、私たちにお任せくだされば――)

(ううん、いいんだ。これはボクなりのけじめだから)

(承知しました。我ら守護騎士一同、ヴォルケンリッターの名にかけて、主はやてに尽くします)

(期待しているよ、我が騎士たち――もちろん、リインフォースも、ね)

(ハッ。マスターのお望みのままに)


 話は変わるが、ボクの通う私立駒王学園は、そこそこ偏差値の高い女子高「だった」。
 つまり、昨今の少子化の流れに逆らえず、数年前から共学化したのである。
 とはいえ、なまじ地元では知名度があるせいで、「駒王学園=女子高」という認識を、覆すことは困難だった。
 あの手この手で――――入試でさえ男子を優遇した――――やっと、現在男子が3割近くを占めるに至る。
 とはいえ、やはり男子の肩身はせまい。


「そうでしたか。もし、ご都合がよろしい日があれば教えてくださいね。いいお店を見つけたんですよ。ねえ?」

「うん。イタリアンでね。洒落た感じで料理もおいしいんだけれど、値段がすごく安いんだよ!」

「そうなんだ。楽しみにしているね」


 女性になってしまった
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