Development
第二十一話 不安と希望
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だったんでぜひ」
「あら……やっぱりあまり良くない状況みたいね」
学年は違ってもこうして気にかけてくれているのは本当に嬉しいし助かる。このまま甘えてしまいそうになるけど、そうすることでより一層同学年の生徒たちと溝が出来てしまう気がする。それだけは避けないといけないので難しいところだ。現に、こうして話をしている間も周りからの視線に晒されているわけで……。
「なんか大変みたいッスね〜。どちらにしろここじゃ目立ってるから早く行くッスよ」
フォルテさんは相変わらずマイペースなようだけど、なんとなく気を遣ってくれてるのがわかる。本当に僕は友人に恵まれている。
食堂に着くと、そこは騒然としている。というより織斑君のいる1組の話題が飛び交っていた。話によると、クラス代表の座を巡って織斑君とオルコットさんが対立し、一週間後に模擬戦を行い代表を決めるというものだった。
「は? 織斑一夏ってまだ数分しか稼働させたことないんじゃないんスか? 馬鹿ッスか? それとも天才かなんかッスか?」
「う〜ん、織斑先生の弟さんだから天才の可能性も否定できないけどどうかしらね」
「それでもさすがに稼働時間が短すぎるんじゃないでしょうか。まだ専用機も届いていないためまともに訓練もできないそうですよ。それに弟だから、って言うのは……」
「……わかってるわよ」
僕の言外の意図を察したのか、楯無さんが少し気まずそうな顔をする。
この後の僕たちの会話も自然と彼らのことになった。
織斑君は入学試験のときに適性が見つかって、バタバタした中で強引に入学させられたので試験の時くらいしか動かしたことはないはず。それで代表候補生に挑むのだから大したものだと思う。
僕の場合は入学が決まってからそれこそ訓練ばかりだったから入学したころにはかなり動かせるようになっていた。……それでも楯無さんにはやはり勝てなかったのだけれど。
考え事をしながら注文していたランチセットを受け取り席に座ろうとすると、再び食堂がざわついた。どうやら話題の当人である織斑君がやってきたようだ。どうやら隣には箒さんもいるようで、予想通りこの二人が同部屋だった。ちなみに、昨日の夜箒さんが木刀を持って織斑君を追い回していたらしいけど何をしたんだろうか……やっぱり僕が同じ部屋にならなくてよかったのかもしれない。
しばらくは遠目で見ているだけだった周りの生徒も、一人が同意を得て近くの席に座ると次々と周りに群がっていき質問攻めになっていた。隣の箒さんは何故か不機嫌そうだ。
「はぁ、大した人気ッスね」
「そうね、まぁ無理もないわ。なんせ初めての男の子だし。二年生はそれほどでもないけど一年生のほとんどと三年生の一部は興味津々みたいよ。紫音ちゃんはどうなの?」
そう言い
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