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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第227話】
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しかったんだぁ……」
未来はその場から立ち上がると、ゆっくりとした足取りで歩き始めた。
俺もそれを見、共に並んで歩き出す……。
「あの指輪、今も大事に箱の中に入れてあるんだよ?」
「そうなのか? ……今にして思えば、おもちゃの指輪だがな」
「……ふふっ、そうだけど……。 あの頃の私には凄く輝いて見えたんだよ? もちろん、今も輝いて見えるけどね?」
後ろに手を回し、くるりと振り返る未来の姿に一瞬心臓が跳ね上がった。
「だから……ありがとうね、ヒルト。 ……私にとっては、凄く大切な指輪だから」
「そ、そっか……。 未来、大事にしてくれてありがとな?」
「……うんっ」
俺の言葉に、未来は笑顔で応えた。
……昔あげたものを今も大事にしてくれてると知ったら、やっぱり少し嬉しく感じる。
そんな風に思っていると、不意に声をかけられた。
「あれ? 未来にヒルト……。 偶然だな、ここで何してるんだ?」
「あ、織斑くん。 それに、篠ノ之さんも」
振り返ると、そこにいたのは一夏と篠ノ之だった。
俺が振り返るのに合わせて一夏は手をあげ、篠ノ之に関しては視線を逸らした。
「……祭で何をしてるって聞くのもおかしくないか? 未来と出店ツアー中だよ」
「そっか。 てっきりヒルト達も箒の神楽舞を見に来たのかと思った」
神楽舞――その言葉に、篠ノ之は眉をピクリと動かす。
「一夏、行くぞ。 ……二人の邪魔をするわけにはいかないからな」
「え? 何でだ箒? せっかくヒルトや未来と会ったんだし、合流しようぜ?」
何の疑問も疑うこと無く言うその笑顔。
本人は皆でワイワイするのが良いのだろうが、篠ノ之としては二人っきりで居たいのだろう。
案の定、一夏のその言葉に腕を組み、イライラとした表情を隠す事無く見せる篠ノ之はある意味スゴいだろう。
「……織斑くん? 篠ノ之さんは織斑くんと二人っきりの方がいいんじゃないかな?」
「え? そうなのか、箒?」
「…………」
振り向いた一夏の問いに、篠ノ之はただ視線を逸らして黙ったまま――そして。
「……一夏の好きにすればいい」
「そっか。 ならせっかくだし、合流しようぜ」
……こういう時に、ちゃんと自分の意見が言えないのが短所だよな、篠ノ之の。
「……俺と未来はいいよ、二人でまだまだ出店回るし」
「そんなつれない事言うなよ。 せっかくここで会ったんだしさ、一緒の方が楽しいぜ?」
――そんな感じに、拒否してもしつこく言い続ける一夏に未来も折れて。
「……わかった。
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