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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第227話】
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かべて喜ぶ未来は、直ぐにヒルトの手を引いて屋台巡りに向かった。
金魚すくい、くじ引き、花火を売ってる出店に輪投げ、色々と遊んでいる内に財布の中身が心細くなったあと、未来はある出店に目を奪われていた。
「わあぁぁ……。 綺麗だなぁ……♪」
出店に並べられていたおもちゃの指輪の一つに、未来の目は爛々と輝かせていた。
ヒルトはそんな未来の様子を隣で眺めながら、次は何を食べようかなと考えていた――だが。
「あぅぅ……」
「……? 未来? 腹が痛いのか?」
「ち、違うよぉ……。 パパから貰ったお小遣い……もう後二〇〇円しかないの……」
開けた財布から、二枚の小銭が未来の小さな手のひらの上に乗っていた。
屋台のおじさんも、苦笑しつつも特別扱いは出来ず、またお小遣い貰ってからおいでと声をかけたのだが……。
「うぅ……」
今にも泣き出しそうな表情で見つめる先にあるおもちゃの指輪。
それはガラス製で、他のより少し高い物だった。
「……ったく、他の遊びに夢中になるから足りなくなるんだよ。 はい、おじさん。 これで足りる?」
そう言ってヒルトは財布から残ったお金を取り出すと、店主のおじさんに手渡す。
「……うん。 ちょうどあったよ坊主。 良かったなお嬢ちゃん! はい、どうぞ」
出店のおじさんがガラス製の指輪を未来に手渡すと、最初はきょとんとした表情だったが、直ぐに笑顔になって――。
「えへへ♪ ありがとうおじさん♪」
「お礼ならそっちの坊主に言わないとな、お嬢ちゃん?」
「あぅっ、そうだった! えへへ、ヒルト……ありがとう♪ ……ごめんね……もう、ヒルトのお小遣い――」
「い、いいんだって! もう屋台の食べ物は食べ飽きたところだったし。 ハハハッ……はぁっ……」
強がりを見せるヒルトだが、最後には力無く笑っていた。
そんなヒルトが、自分の為に安くもないガラス製の指輪を買ってくれた事が、未来にはとても嬉しかった……。
――ってな感じで、小さい頃に未来にガラスの指輪を買ったんだよな。
しかも、あの頃は左手の薬指に填める指輪の意味も知らずに填めて帰ってきて、親父や未来のお父さんにからかわれる始末だったし――。
「……ふふっ。 ありがとうね、ヒルト?」
「ん? 急にどうしたんだよ、未来?」
昔の出来事を思い出していると、不意に未来の口から出たありがとうという言葉。
何に対してのありがとうかは解らず、未来に聞き返すと――。
「……あの時、ヒルトは自分が後で食べたいものを我慢して私に指輪買ってくれたでしょ? ……私、凄く嬉
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