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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第226話】
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はいよー」


 手早くフランクフルト二本にケチャップをかけていく屋台の店主。

 見たところ、年齢は三十代後半といったところだろう。


「はい、おまちどおさま!」

「ありがとう。 ……はい、二本分の料金」


 財布から小銭を取りだし、支払うと――。


「……確かに、丁度いただきました。 ありがとうございましたーっ」


 受け取ったフランクフルト二本のうちの一本を食べていくと、俺はもう一本を未来に差し出す。


「え? ……これって――」

「未来の分だよ。 添加物多いから気になるのか?」

「う、ううん!? ……だって、子供の頃だと……ヒルトっていつも二本食べてたから」


 懐かしむように呟く未来は、差し出されたフランクフルトを受け取った。

 そっと髪をかきあげ、瞼を閉じてフランクフルトを口に含む。

 ……その姿に、周りの男子の目が釘付けになっていたので俺は慌てて――。


「み、未来、早く食えって! 周りが見てるぞ……」

「んぅっ……。 わか……ったぁ……。 はむっ……んふっ……。 モグモグ」


 艶かしい声とは裏腹に、先からかじられたフランクフルト。

 流石に食べられたら未来を見る人も居なくなった……。

 これが未来一人だけだと、ナンパされてただろう。


「……んむ。 ……ふふっ、フランクフルト食べるのって久しぶり……♪ 綿菓子は良く食べてたけどね♪」


 そう言いながら自分の唇についたケチャップを指で掬うと、そのままぺろりと舐め取った。


「ふむ……なら次は綿菓子行くか。 ほら、食べたからゴミは捨てないとな」


 食べ終えたフランクフルトの串を受け取ると、近くのゴミ箱に捨てた。

 分別されたゴミ箱だが、マナーの悪い客もいるようで生ゴミの所に缶を捨ててるのが見えた。


「さて、行くか」

「うふふ。 何処までもついて行くからね、ヒルト♪」


 笑顔で応える未来を連れだって、次の目的地である綿菓子の屋台へと向かった。

 到着すると、親子連れのグループが子供に綿菓子を買ってるのが目に映る。

 買って貰った女の子は、受け取った綿菓子に目を輝かせ、美味しそうに一口一口頬張っていた。


「……小さい子って、可愛いよねヒルト?」

「そうだな。 ……ああいうのを見ると、もう一人弟か妹が欲しくなるな」


 買って貰ったお父さんの手を握る女の子の表情は輝いていた。

 次に並んでいた二人の兄弟にも、父親が綿菓子を買い与えていた。

 二人の兄弟の頭には、ヒーロー物のお面を被っていて、互いの仲の良さが此方にも伝わってくる……。


「……私も、弟か妹が欲し
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