振り返らず、帰ろう
前書き
つまらない話をしよう 君と僕の 馴初めの話
あれはいつだったか まあ 暑くも寒くもない昼の飲食店
君はタンクトップ 僕は薄い長袖を着ていたかな
どちらから どう知り合って 話し掛けたのかさえ覚えていない
だけど これだけ「あぁ、好きだった。」と思ったこと
それだけは思い出せる
別れた時のことを 語り合おう 耳を塞いで
もう何年前か まあ 何の挨拶もない朝のリビングで
君は化粧をして 僕は家を出て行ったかな
それはもう 赤の他人らしく殺伐としていたように思う
けれど これだけ「愛していたい。」と呟いた
それだけは君も同じ
※
いつの日か分かり合えると 大人の子供 僕と君
あの頃から月日は澄み 心は晴れていた
雑踏の中に僕は立ち 君が来るような気がしては時間も暮れ
帰ろう 一人のマンションへ
忘れたい事への思い 出逢い別れ すべて泡の夢
まるで現実味もなく 僕は未練がましく写真も捨てず
飯を食い 家を出て 仕事をして 寝て起きてを繰り返すだろう
けれど これだけ「戻りたい。」と泣いたこと
それだけは許してほしい
※
前書き
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