暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第35話 『掘り出し物』
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は2人に背を向け、また向かいくる男と対峙する。女は背後に被害が及ばないように気遣ってか、すたすたと男のほうへ歩み始め、振り下ろそうとするナイフを、腰を落としてかわした。
「道具は大事にしないとねぃ。可笑しくて落としちゃったよ」
ナイフを避けるというより、先程落としたレンチを拾うためにしゃがんだようだ。そのあと、彼女は彼を無視してまた車に近づき、今度は車輪を取り付け始めた。その間、男は何度か女性に向かってナイフを切りつけるが、車輪を取り付けている最中であるにも関わらず綺麗に避けられ、逆にナイフで自分の車に傷をつけてしまった。
「ありゃ〜、これ、値の張る車なんでしょ? 修理代、結構するんじゃない?」
傷ついたところを女は指でなぞりながら顔をしかめる。
ここまでくると、男は言葉にならない叫び声と方向の定まらない攻撃を交通取締局員がくるまで続けた。
やってきた局員たちが男を押さえつけ、なんとか宥めて詳細を聞き出すと、彼はぽつりぽつりと言葉と涙を吐き出した。局員たちはこのような錯乱した人間が語る話を半ば創作と信じてはいなかったのだが、女性が頷くのを見て目を見開いた。
確かに、最終的にナイフを取り出した男性が悪い。だが、車中で寝ているかといって顔に落書きをされ、自分の車の車輪をはずされ、ついには周りに多くの人がいるのにも関わらず、人を小ばかにされたような物言いをされたとあればこのような行いに至る人間がいてもおかしくはないと、少し男に同情した。
局員の一人が女性に訊ねようと振り向く。
「あの〜……って、うわっ!」
「ん〜、あれま。電気系統が耐久度こえてるよ。パーツも規格をあわせただけ。改造もすき放題やってるねぃ」
エリオとキャロも、その女性が片手でその車を傾げ上げたことには驚いた。しかも、重そうに感じている仕草はない。
「車両自動車検定が近づくとその場しのぎで調整するわけだ。ふむふむ……」
「いや、あの……」
「しかし、最近はこんな一般大衆でも立派な部品を使ってるんだねぃ」
「すみません! そこの車を持ち上げてる人!」
名前をまだ聞いていない局員は声を張り上げて女性に呼びかけた。
「ん、はいはい」
振り向くことなく返事をすると、左手に車体、右手に何処から出したのかも分からない工具を持ち、車に差し込もうとしていた。
「あなたは――」
「手前ェ、何してんだ!」
局員の声を遮り、手に錠を掛けられている男が叫ぶ。
「何してるって……修理だよ。落書きで恥ィかいたろうからねぃ。お詫びいっちゃなんだけど……なら、恥かかすなって話しだけど」
「はァ? 勝手に」
「まぁまぁ、資格はほれ、このとおり
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