暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第35話 『掘り出し物』
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男性と女性の口論が目に付いた。
エリオたちは興味本位ではなく、事件性のあるものだろうかと思い、そこへ向かう。
男のほうは、ヴァイスと同じくらいの背丈で年齢も同じくらい。服装は2人とも見たことがない格好をしていた。だが、いつも管理局の制服が視界にあったせいか、赤いゆったりとした上着に金色のボタンは、エリオたちを不快にさせた。下が逆に引き締まったものを穿いており、尚のことそれを助長している。髪もおかしい。おおよそ自然ではありえない髪形をしている。さらに、頬に描かれているものを見る限りは、男のセンスを疑った。
「ん、厳密には左前輪」
「……手前ェ」
「交通ルールがわからない? この場所は駐車禁止」
一方、道路標識を指差す女性は明らかに男性の2倍は年齢を重ねており、目の下や首に少し皺が目立ち、背丈は対峙する男より僅かに小さい。だが、背筋は真っ直ぐ伸び、面倒臭そうな声であっても、力強さがあった。体格は
つ
(
・
)
な
(
・
)
ぎ
(
・
)
の上から見る限り、太ってはいなさそうだ。髪は桃色で、ところどころに白髪が窺える短髪である。
「あぁ、あと邪魔なのよねぃ、個人的に」
「ンの野郎」
人だかりの輪にいる女性は、話しながらいつのまにか車の右前輪もはずしていた。彼の上着と同じ色で、どことなく車高の低いそれは静かに前に傾いている。
口論というより、寧ろ男のほうは既に臨戦態勢に入っていた。こうなってしまった原因は誰に目にも明らかで、男は違反、女は粛清も兼ねた私情である。
女は彼の怒りをなにも感じていないように、今度は後輪に手を出そうとしゃがんだ瞬間、
「止めろォ!」
男は女に殴りかかろうと飛び掛ってきた。
「エリオくん!」
「うん!」
それを見てエリオはストラーダに合図を送ると、ソニックムーヴを使用してその間に入ろうとする。
そして、滑り込むように間に入ったそのとき、
「ん、こらこら。小さな子が入ってきちゃ危ないよ」
「うわわっ」
男に立ちはだかる位置にいたエリオは、突如女性にわきの下に手を入れられ、高く持ち上げられた。立った彼女はそのまま相手の拳をくるりと避けて、2回、3回とくるくる回り彼に『着地成功』を楽しませるようにゆっくり降ろした。
「あ〜、この年齢じゃ、高い高いは恥ずかしいか」
「え?」
「それにしても、こんな小さい子に手を上げようとするとは、なかなかの平等主義者だねぃ」
エリオが振り返ると同時にがたんと車はまた傾く。
女の呆れて物が言えないというような顔に対して、
「あァ?」
男は見当違い甚だしいといわんばかりの睨みを女に向け、低い声で唸った。
しかし、女は
怯
(
ひる
)
むことはせず、
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