暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第35話 『掘り出し物』
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から!」


 そう言って、彼女の返事を最後まで聞かずに、二十数歩先にある角に入ると、素早く腕に装着している愛機(デバイス)――ストラーダ――を使って、自分の中で一番始めに思いつき、且つ守秘性の高い人間に通信をとることにした。


「どうかしたの、エリオさん?」
「コタロウさん、今、大丈夫ですか?」
「作業着に着替えている最中の僕を、エリオさんが不快に思わなければ問題ないかな」
「問題ありません」
「ん。用件は?」
「あ、はい。実は……」


 エリオはコタロウが着替えるということで映像通信から音声通信に切り替え、彼が以前ヴィータと出かけたことと、今回自分が置かれている状況とを重ねながら説明する。スバルたちが話していたということは話さずに知識として話すなか、通信先の彼は着替えていく過程で徐々に口調が変わっていき、説明し終わるころにはいつもの口調に戻っていた。


「ふむ。なるほど、状況は把握しました」
「……それで、これはデートなんでしょうか?」
「それを決めるのはモンディアル三等陸士、あなた御自身による要素が大きく、判断ができません」
「僕に、ですか?」
「ご質問しても構いませんか?」
「はい」
「今からのお伺いする質問は、決してモンディアル三等陸士にラべリング、つまり暗示をかけるものではありません。質問のあと、心に変化が生じた場合は否定、あるいは考えないようにしてください。考え、意識を強くしてしまいますと、比例して暗示も強くなる傾向があるようなので」
「わかりました」


 では、と相手は一拍置く。


「現時点でモンディアル三等陸士は、ル・ルシエ三等陸士に恋愛感情をお持ちですか?」


 コタロウはエリオの意識しまいとしたところに、隠すことなく言葉をぶつけてきた。


「あ、ありません」
「今日の休日は楽しみたいですか? ル・ルシエ三等陸士を楽しませたいですか? あるいはどちらも?」
「どちらもです」


 彼は質問者の問いに応えた。現時点でキャロに恋愛感情なんて抱いていないし、今日という休日を楽しみたいし、彼女も楽しませたい。それがエリオの素直な気持ちである。
 ただ、相手が「質問は以上です」と応えると、


「でも、キャロとはもっと仲良くないたいとも思っています」


 と付け足した。


「ジャニカ曰く」一呼吸置き「それが答えです」
「え?」


 音声通信であるにもかかわらず、エリオは眉根を寄せる。


「今の質問の答えが、モンディアル二等陸士の現状を打破する答えになります」
「はぁ」
「貴方は現在、ル・ルシエ三等陸士に恋愛感情を抱いているわけではなく、お互いに楽しく過ごし、仲良くなりたい」
「…………」


 エリ
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