暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第34話 『ラッパのラ』
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『…………』


「どう? これが調べた結果なんだけど」


 スバルはティアナが調べた(アドヴァンスド)(グレイザー)についての書類をみて腕を組む。エリオとキャロもティアナの説明を聞き閉口する。


「う、ん……なんて言っていいか分かんないけど……すごいね」
「え〜と」
「すごいですね」
「まぁ、当たり前の反応よね。でも、この映像は合成じゃないし、実際にあんたたちも見たでしょう? それも間近で」


 もう一度、特にAG同士の模擬戦映像をスローで見直し、両者の動きを確認した。


「手数足数は1秒間に平均25、6回――」
「――えっ!?」
「互いが接近するほど数は減るけど、それでも――」
「僕等の比じゃないですね」
「これで速さ2分の1」


 目を皿にして何度も観たからね、とため息をつく。


「ティアはこれを?」
「……そう。体得したい」


 ティアナが頷くと、またスバルたちは黙った。
 それはそうだろうと彼女は思う。身体能力の向上は言うまでもないが、それ以外に必要な要素が見つからないのだ。場数という経験が物を言う、六課にいるうちに体得できないということはしたくはない。


「あの……」
「なに、キャロ?」
「コタロウさんの他にもAGはいるんでしょうか?」


 テーブルにあるジュース入りの缶に目を落としたあと、ティアナは髪をいじる。


「分からないわ。でも、フェイトさんとネコさんの模擬戦を見てたなのはさんや八神部隊長は知らなかったみたいだし……10年局にいて知らないとなると、少なくともクラナガンにはいないということになるわね」
「そう、ですか」


 はやてについては昔から隊長としての進路を決めていたため、前線で戦うことは少なく、出会う機会は低いためわからないが、なのはは戦技教導の傍ら前線に参加することが多く、同時にたくさんの人と会う機会がある。そのなのはも出会ったことがないということであれば、同期や先輩後輩にはAGはいないことをあらわしていた。


「今週中にはなのはさんに話すつもり」
「それで、分かってもらえば、コタロウさんに?」
「まぁ、そうなるわ。AGに関するデータのうち、習得方法は1つも出てこなかったけどね」


 大きなため息をつき、ジュースを一気に飲み干して自販機隣のダストシュートに缶を放り込むと、問題は山積みでも区切りをつけるように背伸びをして、気持ちを切り替えた。


「んで、スバルも参加する? AGって元はフロントアタッカーのことだし」
「ううん。私はいいや」
「そう?」
「うん。強くはなりたいけど……私はなのはさんやヴィータ副隊長から習いたいな」


 座っている足をプラプ
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