暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第33話 『なにか変か』
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アドヴァンスドグレイザー――以降AG――が、人の命を無視した戦闘手段でないという情報は、調べれば直ぐに分かった。元々はフロントアタッカー――以降FA――であり、その人たちのなかで特に魔力の少ない人間が使いだしたのが切欠らしい。
ティアナは、おそらく敵や周りの自分より多く魔力を保持する人たちに対抗するための手段だったのだろうと考えながらモニターに目を走らせた。
危険性は確かに、FAの上をゆく。だが、戦闘をする以上は危険と隣り合わせなのは武装局員の誰でもが知っている。それを実力を持ってFAと同じ危険性まで低下させているのだ。高魔力保持者もこのAGを使用していたという記載はあったが、擦過現象――相互の魔力量と結合力差を利用した平衡現象――で相手の魔力を利用するのは低魔力保持者あるいは、魔力放出を可能な限り抑えた人にしかない。
もちろん自分も六課内では魔力は低いが局内の平均以上なのはよく知っているため、擦過現象を扱う場合は魔力の出力を抑えなければならない。年々高魔力保持者による犯罪が増加している今、近いうちに敵に圧倒させる場面に出くわすかもしれない。これを習得していれば、戦局はかなり有利に進めることが可能だ。
そして習得したいと考えたのはもうひとつ、
(昔はもっと頻繁に感じてたはずだ。自分と他の人との魔力差を……)
共感である。ティアナはつい先日のフェイトと模擬戦をした男を思い出した。
その時の映像を見直せば見直すほど、言葉にすることができなかった。
実際に見たときの印象としては、彼女と彼の魔力差は圧倒的で、彼の方は微々たるものだった。ただ、魔力結合の精度の高さと結合された物質の魔力密度は、誰もが認める最上位の魔導師である彼女を霞ませるほど確実且つ精密だった
さらに彼は魔力量差を実力差としないということを、体現してくれた。
(映像資料だ……っと、記録日は……30年前!?)
読み進めながら、ティアナはAGの模擬戦記録を見つけ、息を呑んだ。
異様に古い。近年ではあるが、最近ではない記録だ。
ティアナはそこに並べてある『中長距離戦』『近距離戦』『
零
(
ゼロ
)
距離』を1つ1つ確認することにした。
(中長距離戦は……)
少し乱れた無音映像の中に映し出されたのは距離を置いた2人が対峙しているところから始まっていた。両方が構え一方が魔力を集束させている。見た限りではAクラス魔道師が砲撃を放とうとしているようだ。
そして、放つ。
受ける側はそれに対して右手を前に出し、左手を右側の耳元へ沿えると、
(……嘘でしょ)
砲撃を右肩あたりで掠めながら、その集束砲が放つ魔力を両手で擦り落としていた。
その後、そのまま擦り落とした魔力に自分の
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