暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第33話 『なにか変か』
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人的な命令、或いはご要望の類であるかと考えたためです」


 正面に座っている彼は、表情から思惑は読めずとも行動から判断することができるのかと思い、再びカップに目を落として一口含んだ。


(……どこまで観察眼がはたらく?)


 シグナムがお茶のときのみ砂糖を(さじ)半分入れることを知っているのか、ほんのりと甘かった。砂糖やミルクが出ていないのはそれが理由らしい。


(いや、言わずもがな、か)


 その教育を施したのが誰なのかすぐに想像がつき、カップを置いた。


「確かに、要件というのは私事だ」
「はい」
「おまえと一戦したい。もちろん私のときはおまえも攻撃して構わない」
「…………」


 単刀直入にこたえる彼女に対し、コタロウは目線を落としてこつこつと人差し指を叩く。シグナムがもう一口含むまでそれは続き、最後に顎に手を当てたあと、彼は口を開いた。


「1つ、確認をさせていただいても構いませんか?」
「ん、なんだ?」
「それはシグナム二等空尉はレヴァンテインを使い、私はこの傘を使用したデバイス戦ということでよろしいですか?」
「ん、そうだが?」
「分かりました。でしたら、申し訳ありませんがお断わりさせていただきます」


 ぺこりと頭を下げる。


「……理由を聞いても構わないか?」
「確かに、この傘は戦う上で『持たば太刀、振らば薙刀(なぎなた)、突かば槍、隠さば懐剣(かいけん)、狙わば銃』という特性を持っています」


 さらに続ける。


「ですが、『差せば傘』がそれ以前の、傘そのものであり、『(かざ)せば盾』が本質なのです。九天鞭(きゅうてんべん)は鞭としていますが、役目としては盾です」
「あの鞭が盾?」


 コタロウは頷き、


「はい。シグナム二等空尉や高町一等空尉、そのほかの方々は『何かを護る為に戦う人』であると考えています」


 今度はシグナムが頷いた。


「私は『何かを護る為に護る人』でありたいのです」


 私の場合はそのほとんどが機械になりますが、とそこで初めてコタロウはカップに口をつける。
 戦うという言葉は何も、武力を持っての戦いだけではないが、彼の場合はそれに言及していた。戦いたくないと言っているようである。


「戦いたくはない。ということか?」
「いえ、違います」


 だが、彼は否定する。


「私が局員である以上、戦うことはあります。ただ私は、この傘を『武器』として使いたくはないだけです」
「……なるほど」


 考え方が違う。とシグナムは素直にそう思った。彼女の場合、彼とは逆でデバイスを武器をして使用する。今までもそうであったし、これからも何も
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