暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第33話 『なにか変か』
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は苦笑し、息を漏らした。
「それなら、これ以上ここにいる必要もあるまい。戻るか。雨も降り始めたしな」
「……そうだな」
そう言って、ザフィーラとシグナムは雨が本格的になる前に、引き上げた。
そろそろ、スバルたちの天候に左右されない屋外での訓練が始まる時間だ。
シグナムが息を呑んだのは、それから数時間後のことである。
ザフィーラと仮眠をとった後、シグナムは1人で新人たちの訓練の様子を見に行くことにした。
雨は依然として降り続いており、日中は晴れないという予報者の予報はどうやら間違いなさそうである。
そのなか、シグナムは隊舎の入り口付近に備えられている廉価の傘を使用して屋上から訓練場を見渡すと、そこでは新人たちが息を乱しながら訓練に励んでいた。今日は雨のせいか、踏み込むべき地盤に思うように力を入れることができず、そこを隊長たちに厳しく指摘されている。
モニターを使用して切り出した映像では、さらにそれが如実に表れていた。コタロウが以前口にした『気象に左右されない』というのは、どの立場の人間にも当てはまる言葉であることがよく分かる。
「……む」
ふと気になって、いつも全員を見渡せる位置にいる彼が訓練場内にいないことに気付く。再度見渡しても、視界に入ってこない。
[なのは]
[あ、えと、シグナムさん? 珍しいですね、どうかしました?]
[あぁ、いや、カギネ三士が見当たらないのでな]
彼女はそっけないのを装って訊ねる。
[コタロウさんは午後からなんです。午前中は
自由待機
(
オフシフト
)
です]
[そうか]
普通、
自由待機
(
オフシフト
)
というと休息、自由時間と等しい扱いだが、彼の場合は少々異なる。彼にとって自由待機とは、六課内の機器類を点検、修理する時間になるのだ。もちろん、休憩も自由に取る私用時間として構わない。ただ、コタロウが自由待機を自堕落なものにしないことは誰もが良く知っているので、注視すること、懸念することはしなかった。彼の自由待機は実質、務め以外の何ものでもない場合が多い。
彼を戦力としての実力をみると、夜明けにみた訓練も務めの1つと認識できる。
なのはとの念話を終わらせたシグナムは、あのとき見た彼が脳裏をよぎった。彼女にとってコタロウは決して気になる人物ではない。だが、つい数時間前に見た人物であれば気にはなる。
シグナムは傘にかかる雫が数滴流れ落ちるのを見た後、踵を返して屋上を後にした。
「…………」
もし、シグナムが自分の記憶力を自負しているのであれば、この目の前にいる人物は夜明け前から換算しおよそ6時間以上、その姿勢を維持していた。そのなか
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