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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第33話 『なにか変か』
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 しかもだ。おそらくそのバリアも削り落とされるだろう。
 じとりと冷や汗が出た。


(零距離を制するAGはすなわち全距離対応可能なFA)


 FAであるスバルに適したものだと思う。だが、ダガーを使うティアナ自身にも適した能力であることも間違いない。
 彼女は一度モニターから目を話し、背(もた)れに寄り掛かった。


(じゃあ、どうして現在では使用されていないのか……考えるだけ無駄ね。そんな実力者がそう簡単にいるはずがない。エース級集まるこの六課でも、1人しかいないんだから)


 実質その通りだった。再び、書かれている電子書類に目を通していくと、管理局システムが安定してくると共に減少し、当時――30年前――以降AGが確認されないことから自然と新しいものの中に(うず)もれ、消えていったらしい。


(今いるとすれば、ネコさんだけ、か……いや、トラガホルン両二等陸佐が知らないはずがない……けど)


 彼の親友であるトラガホルン夫妻は優秀すぎる人たちだ。もしかしたらと意気込むが、諦めた。
 彼らと接触するためには彼を仲介しなければならないし、なにより将校クラスの人間が自分に気安く話してくれるとも限らない。もちろん、彼が関係すればあの夫婦は快く話してくれるであろうが、そんなコネのようなものは使いたくなかった。
 ティアナは項垂(うなだ)れ、途中でAGについての調べごとに好奇心という比重が高くなっていることが分かり、自分を戒める。
 知りたいのは誰がAGを知り、使いこなしているかではなく、自分がそれを身に付けることができるか、或いは身に付けたいかどうかである。


(少なくとも、私はこのAGを使いこなせるものなら使いこなしたい……そのためには、きちんとその危険性を把握して、なのはさんに相談することだ)


 彼女は一度気持ちと思考を入れ替えて、AGの、特に危険性や弊害について再び調べ始めた。






魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第33話 『なにか変か』






 なのはたちが日中訓練と並行して六課の警備や出動に備えるため、はやての守護騎士であるシグナムとザフィーラは彼等の時間に合わせて行動するのは必然的であった。同時に2人が出会う確率も多く、シグナムが外へ足を運んだとき、四足で歩くザフィーラと何度目かのすれ違いをみせた。


「異常は?」
「無しだ」


 彼女は軽く目線で「気分転換でもしないか?」と合図すると、ザフィーラは頷いて彼女の隣に付き、揃って外に出る。
 隊舎の外は日が昇る前と曇天なこともあり、若干気温は低く、眠気を覚ますのには丁度良かった。


「随分と雲が低いな」
「あぁ」



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