暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第33話 『なにか変か』
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魔力を繋ぎ、結合してカウンターで相手に集束砲を撃ち放ち、相手が分かっているかのように防御をして映像は終了していた。
 あらかじめこの映像を映すための台本(シナリオ)戦なのだろう。事前に返すことが分からなければ、あのように始めに放った人間がカウンターを避けられるはずがない。


(あくまで防御は零距離、か)


 次に近距離戦の映像を見る。
 その映像はまさに、この前見たフェイトと男の戦いそのものだった。一方はその場所から動かず、一人が座標を変え、角度を変え攻撃する。しかし、相違点にティアナは気付いた。


(……相手の態勢が崩れた一瞬を狙って、攻撃を仕掛ける)


 映像の中は徒手空拳で、相手が攻撃することによって生まれた隙を見逃すことなく迎撃していたのだ。
 フェイトの模擬戦で、男は一切攻撃はしていない。
 相手の耳を掠め、後頭部に手刀を打ち据えようとした時点で寸止めし、映像は終了する。
 先日の模擬戦を見たが、今の映像を見て自身のダガーモードでも応用できそうだとティアナは確信した。
 次に零距離戦の映像をティアナは確認する。


(…………)


 一方は両手にダガー、もう一方は徒手で対峙していた。
 ダガーを持つ人は、片方のダガーを逆手にもち、相手は左右で差はあるものの両手を喉の高さまで上げて、互いにゆっくり距離を縮め、互いが腕を伸ばせば接触する距離まで近づく。だが、お互いに動く変化は見られない。間合いを確認しているのだろうかと思った矢先、また彼女は気付いた。


(……動いてないんじゃない)


 始めは静止していると思ったのだが、映像速度を遅くしてみると、互いが互いの攻撃を虚実、フェイントを織り交ぜながら、仕掛けては軌道を逸らし合っていたのだ。動きが速くて一瞬目で追いきれなかった。その証拠に地面が互いの(せめ)ぎ合い耐えきれず、僅かにヒビが入りへこみ始めている。
 しばらくその位置で激戦を繰り返した後、さらに互いは緩緩(かんかん)と距離を縮める。互いの肘が当たる距離まで来ると、頭を動かし、回り込みあい重心を変えたりと、熾烈を極める戦いになる。
 速度を遅くして、やっと捉えられるくらいである。通常に戻せば、まず目で追うことはできないだろう。
 戦闘は一方が喉元にダガーを突きつけ、もう一方が相手のこめかみに足を打ち下ろそうとするところで膠着(こうちゃく)し、互いがまた距離をとったところで映像は終了した。


「レベルが今と比較にならない」


 始めにティアナが抱いた感想は口からこぼれた。
 魔力量で補えない部分を、体術を持って制する。
 理には適っているが、ここまでとは思いにもよらなかった。あれだけの技術を持てば魔力制御は当たり前、もし相応の魔力を持っていれ
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