暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第32話 『だからこそ』
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トちゃん?]
[どうかしたのか?]
[なんでもあらへん]
[うん。なんでもないよ]


 ヴィータは見ることができないが、なのはには彼女たちの表情がよく見えた。恥ずかしいとは少し違う表情だ。それに、お互いがお互いの行動に気付いていない。完全に自分についてしか考えることができていない、思考が内面に向かっている様子である。


(……ん〜〜?)


 一口、パンを口にしながらなのはは首を傾げる。以前から――地球に行ったときから――はやてや自分たちが彼への対応が変わったことには自覚していたし、気付いていた。それは自分が思う限り、親しさのあらわれであると思っている。コタロウ自身は気づいていないのであろうが、そうでなければ、あんな状態にはなりえない。
 なのはは彼の膝で静かな寝息を立てているシャマルと彼の背に寄りかかっているヴィータ、それにいつのまにか彼の頭の上に乗って、やや不機嫌ながら食事をしているリインを見る。


(あれでコタロウさん、普通……なんだよね)


 それを、違和感なく見れている時点で、自分やスバルたちはかなり感化されているといってもいい。シグナムやザフィーラはまだ抵抗がありそうだが、それも時間が解決するだろうと、なのはは自分の考えを疑わなかった。
 考えを戻す。
 小動物のようにサンドイッチを食んでいるはやてとフェイトへ視線を移す。


(んと、何かあったと考えるのが普通、だよね。なにかあったのかな?)


 時間が経つにつれ、平常に戻っていく2人を見て考えを巡らせる限り、もし何かあったとすれば、コタロウの無自覚な行動くらいだとなのはは考える。彼女たちをぎこちなくさせる行動をコタロウが取ったと考えるのが妥当だからだ。以前、彼がはやての行動にあわせて『オウム返し』をしたときのようなことが起こったのだろう。


(む〜〜)


 そう、なのははそれ以上の、特に彼女たちの気持ちまでは掴むことができなかった。はやてたち自身、自分の真意に気付いていないため、分からないのだ。なのはが掴むことができないのも当然である。
 なのははとりあえず、機会があったら聞いてみようくらいに思考を完結させて、2人に飲み物を注いであげた。


『あ、ありがとう』
「うん! どういたしまして」


 いや、なのはだからこそ、気付かないのかもしれない。
 そしてその後、シャマルはリインに鼻をつままれて起き上がり、現状を把握してコタロウと目を合わせた時、一拍おいて真っ赤に顔を染め上げ、再び倒れるくらい狼狽したのは余談である。






△▽△▽△▽△▽△▽






「ティア? 何か調べるの?」
「うん。ちょっとね」


 その夜、寮に戻る前、ネットワークが使える
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