暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第31話 『太陽と月』
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き》が流れていたような気もする。
最後は疲労で感知することは出来なかったが、かなり特別な感覚であった。
そして、コタロウを見下ろす。
配分を忘れた行動により、試験を中止してしまった申し訳なさはあったものの、あの時、彼に抱きとめられた感覚と、こちらから振り落とされないように抱きつき、下から覗き込んだ時の彼の表情のほうが心象に残っており、
(……ん? ……)
僅かに脈が跳ね、顔に熱を感じた。
フェイトは片手を頬に当てて首を傾げる。彼は顔を自分に向けることはなかったが、魔力弾の光が映った寝ぼけ目でない、慧眼した真剣な目つきは兄であるクロノや親友のユーノ、または他の男性とはまた違う印象を受ける。
兄やエリオは別として、そもそも捜査中の犯人確保以外であれほど男性を近くに感じたことは、記憶を掘り起こしても出てこなかった。
ふるふると首を振り、静かに大きく深呼吸をして落ち着きを取り戻し、もう一度彼を見る。
コタロウは呼吸の回数が少ないのか、言ってしまえばまさに死んだように眠っているようだ。うつろながら、彼がこめかみに怪我をしていることを覚えていて、その部分を見るために身体を少し折り、身を乗り出して覗き込む。シャマルが治療したのだろう。怪我は綺麗に消えていた。
そのまま、自分が思い切り斬りつけた胸の方に視線を移す。
(大丈夫か……な? ――ひうっ!?)
自分に何かの影がかかるのに気が付くと、後頭部に重みを感じ、そのまま胸元に引き寄せられた。
「ん、眠れないの?」
「――ぅぅぅ!?」
フェイトはびくりと瞳が小さくなり、一瞬呼吸が止まる。
中腰の体勢が保てず、膝を折り、ベッドの端に体重を預けることが彼女に出来た行動である。
(コ、コココタロウさん!?)
彼にゆっくりと髪を撫でつけられる。呼吸は一瞬だったが、思考を取り戻すのには数回の呼吸を要した。脈は先程とは比較にならないほど乱れ、それはまだ、取り戻せていないし、取り戻せそうにない。
さらに、
「あなたは私の愛にいつ気付くのだろうか?」
と口ずさみ始めたときには、一度大きく心臓が跳ね、それを最後に止まっていしまうのではないかと思わずにはいられなかった。
だが、淑やかで琴線に触れる唄だからだろうか、そのようなことはなく、フェイトの落ち着きを取り戻させる。
「言葉をかえていくつも愛は伝えられるけど、あなただけは何ものにもかえられない……あなたにはそれが分かるかい?」
「…………」
曲調のせいなのか、彼の声色のせいなのか、それともゆっくりと髪を撫でられているせいなのか、分からないことは多いが、これほど愛を伝える歌詞なのに、とても心地が良い。
唄を聴く限り
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