暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第31話 『太陽と月』
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いだにすぎないのでまだ中に着ている。
 案の定、いや、かなり重い。これだけで2人分以上の重さはある。


『……はぁ〜』


 疲労しているフェイトと当惑しているシャマル以外はさすがに諦めたのか、出てきたのはため息だけだった。
 だが、その数分後、新人たちは同じ思考に至る。


『(低酸素で、しかもあの重さで……模擬戦、やったんだ)』






△▽△▽△▽△▽△▽






 意識が覚醒し始め、自分の頬に空調機のひんやりとした風を感じるようになると、フェイトは目を覚ました。


「……う……ん」


 なのはとシグナムに支えられながら、医務室のドアをくぐったのは覚えているが、寝かされたところまでは覚えていない。フェイトは手に力を入れて握ったり開いたりして、自分でも大分回復したことが分かると、体調の確認も兼ねてゆっくりと身体を起こす。どうやら、普通に動けるまでには回復しているらしい。もしくはシャマルが処置してくれたのかもしれない。
 自分の服装を見直して、特に身体のべたつきも感じられないことから、誰かがやってくれたのだろうとぼんやり考えて、ふと下を向くと、起き上がる拍子にずれた毛布(ブランケット)が目に入った。


(……これ)


 コタロウが自分に貸してくれた、変形した傘の生地である。黒地のバリアジャケットに合うように、黒を下地に銀色格子のデザインが施されている。
 シャリオは特別な編み方がされていると言っていたが、質感はまさに毛布そのもので、心地よい。


(本当は違ったんだけど……ありがとうございます)


 恐怖心からの震えを勘違いしたコタロウに内心お礼を言いながら、何時返そうかと毛布を折りたたみ、膝の上にのせて考えようとしたとき、視界に何か入る。


(コタロウさん?)


 そちらの方を向くと、羽織を毛布代わりに仰向けになって寝ているコタロウがいた。そのもう1つ向こうには多種多様な工具が大量におかれている。
 フェイトは床に足をつき、まだ少し疲労感は残っているが、歩くことに支障はなさそうであることが分かると、静かに寝息を立てているコタロウに近づいて、午前中の模擬戦を思い返した。
 開始直後は戦術を練り、相手の実力を量りながら加減を調節して彼の試験に貢献しようかと思っていたのに、気が付けば今持てる魔力や技術を最大限に出してしまった。いや、当時の感覚を思い出すと、いつも以上に実力を発揮できた気がすると思う。


(……凄かったなぁ)


 背後からの自弾が魔力の流れからか手に取るように分かり、神経が研ぎ澄まされ、まるで空間を制御下に置いたような感覚は、シグナムとの模擬戦でも体験したことのないものだ。少しの間だけゆっくり|時《と
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