暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第31話 『太陽と月』
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を軽減させる防護眼鏡――サングラスのようなもの――であることを確認する。別段、高性能な機器というものではない。


「ティア、ちょっと手伝って」


 スバルはしゃがみ、コタロウに対して背を向けて、ティアナに彼を起こして寄り掛からせるようにお願いする。


「それじゃ、いくわよ。いち、にい、さ――」


 掛け声に合わせてスバルは力を入れるが、しばらくしても背中に重さは感じない。


「……ティア? どうしたの?」
「なに、これ……すごく、重いん、だけど」
「うん?」


 振り向くと、依然として仰向けのままであるコタロウと、彼の肩甲骨あたりに手を入れ――実際は地面と肩甲骨の接地面で手は止まっている――顔を歪ませているティアナがいる。


「ちょっとスバル、ネコさんどうやって仰向けにさせたの?」
「え? それは、こう、ごろりと……うん、確かに力は入れたけど……そんなに重い?」


 アンタの馬鹿力と一緒にしないで! という言葉を飲み込み、


「起こしたら私が支えるから……」
「う、うん。分かった」


 ティアナと代わってスバルが彼の頭上に座り込み、両腕を滑り込ませようとするが、力を入れながらでないと入らない。しかし、なんとか入れることができた。


「せーのっ! ……け、結構、重、い!」
「でしょ? これ、普通の重さじゃないわよ」


 女性と比べるのはどうかと思うが、明らかにティアナの体重の3、或いは4倍以上の重さはある。
 エリオとキャロも彼女たちに近寄る。


「僕らも手伝います」
「腕をスバルさんの肩にのせればいいんですか?」
「あ、うん。お願い……でも、気をつけて。重いから」


 ティアナが起きた上半身を支えながら、エリオとキャロは後ろ向きに構えているスバルにコタロウの右腕をのせようとするが、予想以上に重かったのか、彼の腕をぶらりと垂れ下げてしまう。
 その時、コタロウの袖から何かが落ち、がらんと音を立てて転がる。


「……これ」
「……スパナ?」


 長さが丁度二の腕くらいのスパナ――レンチ――が日の目に晒されきらりと光った。心なしか腕の重さも軽くなっている。


『…………』


 エリオは右袖、キャロは左袖を無言でゆさゆさと振ってみると、がらり、がちん、がこん、はたまた、どさり、ばさっ、コロコロといった音を立てて、大きさ、長さ、重さ様々な工具が地面に転がった。


『…………』


 再び腕を持ち上げてみると、普通の重さである。


「ネコさん、ちょぉっと失礼しますね」


 気絶して頭を垂れているコタロウの反応は聞かず、スバルは彼の羽織りを無理矢理脱がした。もちろん、上着の1枚を剥
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