暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第31話 『太陽と月』
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ニカとロビンは成功したことを内心喜んだが、まさかこれほどとは思っていなかった。
 自分の親友が他人にも好かれることは喜ばしいことだが、この時ばかりは表現できない複雑な感情を相手に抱く。


『ねぇ (なぁ) 、コタロウ?』
「うん?」
『貴方 (お前) には負けない』
「……ふむ」


 彼は今までの会話の流れから何に負けないのかを考え、1つの答えを導き出し、


「お先にどうぞ」


 バスルームへの道をあける。


『そうじゃないわ (そうじゃねぇ) !』




 そこでドアのブザーが鳴り、2人は映像を切って入室を促した。


「失礼します」
「どうした、サングネア三士?」
「御休憩中申し訳ありません。今年度の経費として回した、去年破損した食堂の食器についてなのですが……」


 どれ。と書類を受け取ろうとしたところをロビンにかすめ取られ、


「376枚。結構割ったわね」
「……そうか」


 ジャニカは特に言い返すことなく、ロビンが書類の不備がないことを確認してサングネアに返すところを目で追う。


「こちらは御子息と御息女ですか?」


 フォトフレームに映し出されている2人の子どもが目に入り、サングネアは明るく話しかけた。


「あぁ、私の勝てない対象だよ」
「それはそうでしょう。それ以外であなた方に勝てるのは、お互いしかおられないのでは?」


 彼は苦笑し、お礼を述べて部屋を出ようとするが、


『いや、既にある人に俺 (私) は負けている (わ) 』


 まさかと彼は振り返ると、ジャニカとロビンは腕を組んで物思いに(ふけ)り、眉を寄せていた。






魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第31話 『太陽と月』






 そもそも、模擬戦が終わっても直ぐにバリアジャケットを解除することを忘れていたことから、コタロウが相応のダメージを負っていることは明白であった。


「とりあえず、ネコさんも医務室へ連れて行きましょう。私が運びます」


 提案をしたのはスバルだ。六課の、特に新人の中では彼女が一番力があり、以前ティアナが倒れたときに運んだのも彼女である。
 彼女はまず、うつ伏せに倒れている彼に近づき、


(……んしょっと)


 かなり力を入れたことに不思議に思いながら、彼を仰向きにさせた。
 魔力弾が当たったからか、あるいは倒れたときに、砕けたバイザーの破片が(かす)めたからなのか、彼はこめかみから少し出血している。シャリオは()ける意味も込めてそのバイザーを拾い上げ、内側からのぞきこむと、何の変哲のないただの光量
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