暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第31話 『太陽と月』
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大げさにしてしまったことですから、それは私も皆さんに申し訳ないと思っています。ですが、これだけコタロウさんを心配してくれる人がいるんです。少しは自覚してください」


 怒りの中に、心配を隠している言い方だ。言葉を繋ぐうちに段々と心配にかかる比重が高いしゃべり方に変わってきていた。


「そんなことばっかりやっていると、コタロウさんのこと、嫌いになっちゃいますよ?」


 全員、こくりと大きく頷く。


「……皆さんもですか?」
「そうです! ですよね、シグナム、ザフィーラ?」
「わ、私たちもか? ……そ、そうだな。う、うむ」
「……うむ」


 もう一度全員が頷き、シグナムたちも(はやて)の心労が増えるなら、そこは頷こうと顔を縦に振る。


「分かりました」


 コタロウも全員の頷きに納得したようで、こくりと頷き、


「分かればいいんです」


 シャマルも彼の返事に頷いた。
 その後、この話題はこれで終わりというように、シャマルはぱちんと両手をたたき、「それじゃあ、ご飯にしましょう!」と笑顔で食事を提案した。






 今日はヴァイスとは時間がかみ合わず、コタロウはスバルたちと一緒に食事をとっているとき、


「……まずい」
『ん?』


 という言葉を残して、口に運ぼうとしているフォークを食器の上に落とした。
 シャマルは彼の「まずい」という言葉にぴくりと反応する。


「…………」
「コタロウさん、どうしたんですか?」


 彼が落としたフォークに目を落としているのを見て、隣にいるエリオが口を開く。


「筋肉痛です」
「筋肉痛?」
「はい。全力で九天鞭を振りましたから、その影響でしょう。神経疲労も同時にきたようです」


 それは過度な運動をすれば必ず出てくるもので、シャマルが診断する限りは特に異常として捉えることはしなかったようである。逆にフェイトは疲労が問題であったので、同じ症状が既に出ており、動けるくらいに処置はしてあった。だらりと腕を下げて、微動だにしない腕を見て、エリオたちは心配するが、一晩休めば問題ないことを彼は告げる。
 そして、コタロウはエリオのほうを向き、頭を下げた。


「え、コタロウさん?」
「すみません。お願いがあります」
「なんですか?」
「もしよろしければ、食べさせて頂いてもよろしいでしょうか?」


 なんだ、そんなことかとエリオは快諾し、コタロウのフォークをとって、彼の口へ運ぶ。


「はい。あーん」
「あーん」


 もくもくと()むコタロウを見守っていたとき、エリオは視線を感じる。


『…………』
「え、皆さん、どうかし……ハッ!」
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