暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第30話 『それはあなたです』
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数名の言葉が重なり、
「プ、ラズマ……スマッシャーーーッ!!」
それは撃ちだされた。
コタロウは、砲撃が打ち出されたと同時に右足を引き、腰を低く突く構えをとり、今までフェイトから移動してきた魔力を瞬時に練り上げる。そして、不規則な輝きを放っていたものから、鈍く落ち着いた光を傘に纏わせ、
「――ムゥッ!」
砲撃に向かって突き抜いた。
2つの光が接触しようとした瞬間、フェイトの撃ちだした砲撃がぐにゃりと曲がり、彼の左肩、首元すれすれをかすめることなく通過する。
『……は?』
傘は光を失って、模擬戦開始時の通常の傘に戻る。
「……はぁ……傘を開いて、対応すると……はぁ、思ったのに……」
それだけ言うと、また彼女はバルディッシュをザンバーフォームに変え、魔力弾をまた複数生成した後、コタロウに切り込んでいった。
「……そうか、干渉だ!」
「干渉?」
思い出したようにシャリオが声を上げる。
「はい。フェイトさんが打ち出した砲撃に対し、コタロウさんは今まで遷移してきた相手の魔力素子で傘の周りを砲撃を同じ魔力結合を施し、砲撃と同じ速度で撃ち抜くことで干渉、つまり相手の砲撃の『波』に同様の『波』を与えて、歪ませたんです。本当はコタロウさんのほうも歪むんですが、手に持っている分、力で押さえつけて反動を相手に返したんでしょうね」
「そんなこと、可能なんか?」
「目にしたと思いますが、可能です。ただ、それは相手と同類の魔力、同様の魔力結合、加えて同速でないと発生し得ません」
さらに、とシャリオは続ける。
「この、言うなれば『砲撃干渉』は、理論上だれでも可能です」
教本にしか載っていない、あるいは部屋の中で行なう実験くらいにしか見たことの無い現象がこれだけ広い空間で行われたことに、シャリオは興奮を隠しきれない様子だった。それは当初抱いていた、傘と彼自身の秘密を打ち消す程である。
「片や攻戦一方、片や防戦一方だからできるのでしょうね」
彼女は声を漏らす。
確かに、一方が攻撃に徹し、もう一方が防御に徹する。お互いが1つのことしか考えないが故にできるものだとシャリオは考える。攻める人にとって防御を考えないことは一つの利点とも言えた。
そうシャリオが考えるなか、はやてとヴィータは彼女の言葉に思い当たる節があった。
――「わかりません。少なくとも、私はジャンとロビンに勝ったことはありません」
――「ネコはいつも防戦一方だもんな」
ホテル・アグスタでのオークションの護衛任務でコタロウとトラガホルン夫妻たちとのやり取りだ。
『(もしかしてあの2人、守ることしか
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