暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第30話 『それはあなたです』
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場を収めた。
 フェイトがぼんやりと見るコタロウのその姿は、弾幕の中を静かに舞っているようであった。






△▽△▽△▽△▽△▽






 階段を降りるように、カランコロンと下駄の音を奏でながら彼はなのはたちのいる屋上に着地すると、すぐにフェイトはよたよたと立ち上がり口を開く。


「す、すみま、せん、でした!」
「構いません。こちらのほうこそ、試験に助力していただきありがとうございました」


 息をつきながら、丁寧にお辞儀をする彼女にお辞儀で返し、フェイトががくんと膝から落ちそうになるのをなのはとシグナムに支えられ、すぐに救護室へ運ぼうする。エリオやキャロも彼女たちに付き添い、その後をスバルやティアナがついて行く。
 そして、全員が隊舎へ戻ろうとするなか、シャマルは寝ぼけ眼の男に口を結んで、腕を組んで仁王立ちをしていた。それを見て、歩みをとめるものがちらほらいる。


「コタロウさん!」
「はい」


 どうやら、先ほどの自分を省みない行動にかなりご立腹のようである。


「もっと自分を大切にしてください!」
「大切にしていますが? 死ぬのは私も困ります」
「あの、いや、そうではなくてですね……」


 彼にとっては死ぬか死なないかが重要だという。
 シャマルはコタロウにさらに注意しようとするが、よく考えればフェイトも、いや、彼女のほうが自分の疲労を考えない無茶な行動をとっている。そう、そちらのほうこそ注意しなければならない対象だ。彼はそれを助け、守ったにすぎない。
 そう考えると、怒りよりも仕様がないという気持ちのほうが大きくなり、彼女は肩の力が抜けてしまった。


「もう、いいです。もう少し、自分に気を遣ってください」
「わかりました」
「それで、コタロウさんは身体、大丈夫なんですか?」


 極度に疲労したフェイトも心配であるが、彼も当然心配なのだ。しかし、そこでシャマルは先ほどの模擬戦を振り返る。


(あれ? フェイトちゃんは疲労してるけど、コタロウさんは……)


 きょとんと彼女はまだバリアジャケットのままであるコタロウの身体全体をみる。
 顔にかかるバイザーは割れて片目だけ垣間見え、胸元は傷は付いていないものの、僅かに焼け焦げた跡が斜めに走っていた。
 疲労があったとはいえ、速度が乗り切ったフェイトの全力の一撃をなにも防御することなく彼は受け切ったのだ。もしかしたら、余計な力が抜けた分、切れ味が上がっていたかもしれない。
 シャマルは自分で言っておきながら、バリアジャケットが傘と同じ生地を使用していたとしても無事なはずがないと思うと、身体が硬直した。
 だから、


「ダメです」


 と言った後、自分
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