暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第30話 『それはあなたです』
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36本の親骨は使用者の身長の5、6倍まで伸び、3本ずつ三つ編みに12本の束になる。次に傘の先端が伸び、束になったうちの3本がそれを中心に編み込まれていった。
 その後、ネコの尻尾のようにぐねぐねと縦横無尽に空間を這う。
 さらにヴィータはコタロウの羽織の文字が変化し始めたことに気が付いた。




『困った時の機械ネコ

 ネコは尻尾に語りかけ

 尻尾はネコにのみ命を告げる

 其れは天の如く九つ成り

 中央鈞天(きんてん)

 東方蒼天(そうてん) 西方昊天(こうてん) 南方炎天(えんてん) 北方玄天(げんてん)

 東北方変天(へんてん) 西北方幽天(ゆうてん) 西南方朱天(しゅてん) 東南方陽天(ようてん)

 そして天はネコに微笑む

 常にかわらぬ貴方の親友より……』




 言葉が増え二重にぐるりと猫のマークを囲い、その猫の尻尾も九つに分かれ、先端が稲妻のような『かぎしっぽ』となっていた。


「テスタロッサ・ハラオウン執務官」
「……はい」
「今この時より、危険回避まで貴女を全力でお守りいたします」
「……は、はい!」


 フェイトがコタロウを見たことに対し、彼は一度も目を合わせず、周囲の魔力弾を炯眼(けいがん)し鞭を振り上げる。


『――っ!?』


 周りは彼ら2人が瞬時にして弾幕の外に出たように見えた。
 だが、それは違い、


「魔力弾が動いた!?」


 位置、座標が動いたのはコタロウたちではなく、周囲の魔力弾だったのだ。その証拠にフェイトの髪も(なび)いてなければ、彼の羽織も靡いていない。


「高町一等空尉、テスタロッサ・ハラオウン執務官をよろしくお願いします」
「は、はい!」


 なのはは急いで()()()()のコタロウに近づき、酷く疲労しているフェイトに肩を貸し、彼から受け取る。


「直ぐに離れてください。全弾に触発をかけたので一斉に襲いかかってくるでしょう」
「でしたら、私のシールドで」
「それでは、この『九天鞭(きゅうてんべん)』の動作確認ができません」


 九つに割れた鞭と羽織の端がうねうねと動きはためく。
 コタロウは彼女が離れないことに首を傾げ、カラコロと自分自ら彼女から距離を置き、襲い来る弾幕のほうを向く。
 とりあえずなのはは、彼より今自分が抱えているフェイトを優先し、ヴィータに合図を送ってシャマルのほうへ降りていくことにした。
 その後、コタロウは向かってくる五十、六十では収まりのきかない弾幕を当たる当たらないにかかわらず、自分を通過するたびに全て擦らせ、魔力を削り取り、弾が存在を保てるまで縮小、自壊させて、その
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