暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第30話 『それはあなたです』
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「危険です。近付かないでください」
「でも!」
なのはとヴィータが向かってきたが、それを制止させる。
コタロウは傘を口にくわえ、崩れ落ちそうなフェイトを抱きとめ、
[私の腰元に
掴
(
つか
)
まっていてください]
[……え、あの]
[掴まっていてください]
[は、はい]
彼女が力を振り絞りながら腰にしがみつくのを確認して、傘を握る。
「残り約5分で試験を中止し、ひとまず危険回避行動訓練に移行します」
彼はフェイトに見向きすることなく、また押し寄せる魔力弾を逸らし、傘を構えた。
そこで改めてフェイトは周囲を見回し、先ほどまで制御のとれていた魔力弾をみると、それらが自分を狙っているようで、
(この弾幕のなか、コタロウさんは私の攻撃を受け続けてたんだ)
ぶるりと身体が震える。視界が広がり意識を外に向けると、今まで自分が起こしていた空間に少し恐怖するほどだ。疲れがなければ何のことはないが、今の自分の状態を考えると、そう思ってしまう。
「寒いのですか?」
「あ、いや――」
「傘、自浄後
剥離
(
アンマウント
)
、ブランケット、
色彩
(
カラー
)
ダーク・アンド・シルバーチェック」
コタロウは生地と骨を分割させると傘を咥え、右手で生地を器用にフェイトのマントの下に滑り込ませた。
「マントよりは防寒効果があると思われます。すぐ済みますから、もう少々お待ちください」
集中力が切れ、体力も無くなり、魔力弾が制御できないのも合わさって、申し訳なさでいっぱいになりながらフェイトはコタロウを見上げたとき、
「――
上昇
(
アッパー
)
から
頂点
(
トップ
)
へ」
ぼそりと彼の口から漏れたのを聞く。
すると、下から覗き込んだからか、模擬戦では見ることのなかった両目がよく見えた。バイザーは丁度半分壊れ、そこから光が差し左目だけを照らす。瞼は開かれ、瞳も僅かに小さくなり、少なくともいつもの寝ぼけ眼ではない引き込まれそうな真剣な目つきだ。
「ロード数
9
(
ナイン
)
」
傘が「かち」とダイヤルを回すような音が9回鳴り、僅かに回転するが薬莢は排出されず、コタロウではなく傘の魔力量が跳ね上がる。さらに呼応してフェイトが抱きついている羽織りが9つに割れ、彼の踵ほどまで伸びた。
魔力反応は当然周りにいるなのはたちにも感知できたが、一番近くにいるフェイトが何よりもそれを感じ取れた。
「『
九 尾 の 猫
(
キャット・オー・ナイン・テイルズ
)
形式
(
スタイル
)
』
――――試験中止 0分〜3分 out and in eyewall
和傘に生地はなく、骨組みがよく見えた。
その骨組みである
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