暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第30話 『それはあなたです』
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……え?』
――――試験終了 6分〜5分前 in eyewall
(…………)
プラズマスマッシャーを撃ってからか、それともそれ以前からだろうか。フェイトは考えることを止めて、純粋に戦いを、彼が自分の攻撃を受けるわけでなく擦り続けるのを楽しんでいる。
髪を結びかえたことに意識はない。
「……はぁ、ングッ……はぁッ!」
ぶつかり合うことを彼はさせてくれない。フェイントが通用しない。自分の動きを見逃さない。位置を移動してかわすということをしない。
それに加えて魔力弾を狙っているのにそれも身体を張って避けることはせず、自分に当たらないように軌道をかえるのだ。
上斜めからの斬りつけるが、角度を変えられ当たらない。
反
(
かえ
)
して再度斬りつけても同様だ。だが、当たらないことに対しての焦れる衝動はない。
そして、この時、残り時間が僅かであることに気付かなければ、自分の体力が既に尽きかけていることにもフェイトは気付かなかった。
だから、今までなら気付いていた背後にある魔力弾に気付かなかったのは、意外ではなく当然であった。
上下左右から魔力弾を先行させながら正面からフェイトはぎらりとコタロウを
睥睨
(
へいげい
)
し、重心を下げ、斬り込む。
その時、今までの傾向として、傘を伸ばして魔力弾の軌道を変え、自分の振り下ろす剣に即座に対応するが、
(……えっ!? 当たっ……た?)
その挙動はなく、相手の左腰、右肩、左目上――バイザーが砕ける――右足に当たり、
(――ッ!! 止められない!)
我に返り、自分の剣を止めようとするが、寸止めする位置に剣はなく、相手の左肩から右腰骨まで思い切り振り抜いた。
コタロウはその間、自分に当たる魔力弾をものともせず、フェイトの左肩に傘をのせるだけに執着し、彼女が剣を振り抜いた瞬間、自分に引きこむようにして身体を入れ替える。
身体が入れ替わる瞬間、フェイトは今まで自分がいた場所に魔力弾が迫っていたことを知り、それを彼は小回りのきく折りたたみの傘で弾を逸らした。
「あの、すみま――」
「集中力を、切らせないで下さい」
砕けたバイザーから片目だけ覗かせ、彼女を見据える。
その目で、はたと気付いた彼女は急いで周囲を飛び交う魔力弾を再び制御させようと意識を集中させるが、疲労からか、今の今まで制御が取れていたのに、魔力の制御が取れない。
体中に気だるさが襲いかかる。完全に集中力が切れ、今まで忘れていた疲労が一気に押し寄せる。
その証拠に、
「あの!」
魔力弾を抑えることができず彼に迫り、逸らすかたちで終わる。
フェイトはぐらりと飛行でさえ危うくなる。
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