暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第29話 『季天鋏』
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現在、コタロウの手を離れている傘『
潦
(
にわたずみ
)
』の形状は柄は感嘆符のように真っ直ぐだが、何処の角度からも握りやすいようきりもみ状の流線型をしている。そこから生える中棒は研磨されたばかりの光を放つ金属素材で形成され、これは他の骨の部分も統一されている。黒鳶色の生地を張る親骨は12本あり、開いたときは計算された様に美しいカーヴを描き、石突は片手で握れるくらいの長さである。
一般の人から見れば地味な傘にしか見えない。しかし、見る人が見れば、形の整った綺麗なものであった。
「ひとまず、これが
標準形状
(
デフォルト
)
で、『
形式
(
スタイル
)
』と『
形態
(
モード
)
』が幾つかあり、これはスタイルは『
雨傘
(
アンブレラ
)
形式』、モードは『
お散歩
(
ワンダー
)
形態』になります」
シャリオは傘を取り、テーブル上から床に移して「
日傘
(
パラソル
)
形式」と命令すると、カチンと自転し形状が変わる。
「このように、形式が変わります。因みにこれは『
ちょっと一息
(
ブリーズ
)
形態』となります」
傘の形状が先程前とは違い、柄と中棒はほぼ一体化して重厚感ある黒色。親骨は36本になり、開いてもカーヴはせず、直線である。生地の色は
藍鉄
(
あいてつ
)
、先端の石突は無くなり、被り物をして紐で結わえられている。柄の長さは使用者の身長ほどに伸び、被さるかたちになっている。
「唐傘、番傘みたいな和傘になるんか!」
『からかさ、ばんがさ?』
地球の日本出身であるはやてやなのはには馴染みは薄くとも見たことのあるかたちであり、昔の人が使っていた――現在でも稀に使用されている――傘であると説明する。それはシャリオも知らない知識だ。
「今、他の形式もありますが、私がわかっている形式はこの2つです。形態はもう1つあります」
傘を握り、「
折りたたみ
(
フォールディング
)
形態」と命令する。
「フォールディング……折りたたみ傘か」
「はい」
これは銭湯に行ったときに見た形態だ。あの時は手動でこの形態にしていたが、今回は自動で形状が変化している。
「雨傘、日傘とどちらも対応します」
『…………』
驚きというより、形状形態変化の楽しさに息を呑んでいるようだった。シャリオも段々と落ち着きを取り戻し、血色もよくなっている。
「……あ、すいません。形式でいうならもう1つ、これは『その他』という括りですね」
そう言って、傘の先端を持ち「傘、
張り扇
(
ハリセン
)
」と命令すると、まさしくその形になった。
「それは見たことあるな」
「他にも、
滑空機
(
グライダー
)
、
空飛ぶ絨毯
(
マジックカーペット
)
、トランポリン等、魔力を使用して『金属』
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