拝啓お義母様。お義母様の元侍女にお会いしました。
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いないと悟り次第に冷や汗をかきはじめ、顔色を悪くすると
「も、申し訳ございませんでした!!」
全力でその場に土下座なされました。
「し、知らなかったとはいえご子息さまにご無礼な態度を!!」
地面に額を擦り付けてひたすらルカ君に謝罪するセイレーン様。私は苦笑しながらその光景を眺める。因みに私の姿勢はその場に正座し、息を殺して事が終わるのを待つ。
これは王と神々の会合。人である私は口を挟むことはできない。
このままセイレーン様がこの国から去ってくれるのを待つのだ。
「セイレーンさん。ご紹介したい方がいます」
ルカくんの言葉を聞いて私はキョトンとした表情で彼を見る。
光を映さない瞳を周囲に向ける彼にタナトス様は小さく苦笑すると
「ひかり、此方へ来なさい」
私を名指ししてルカくんの横に連れ立たされた。
「僕のお友達のひかりさんです」
と普通に知人に紹介するように私をセイレーン様に紹介しました。
「お、お初に御目にかかります。わ、私(わたくし)羅刹の君であらせられますルカ様に――――」
「ひかり、この根暗に対して下手にでる必要はありません」
「は、はじめまして、ひかりです」
目上の方なので最敬礼でご挨拶をしようとしましたがタナトス様に遮られ、仕方なしに簡単な挨拶をする。セイレーン様は頬を引き摺らせながら私を睨んでいて正直生きた心地がしません。もし一対一だったら問答無用に海へとダイブさせられていたことでしょう。
『言っておくけど、ひかりちゃんは奥方候補最有力だからね?』
『ま、誠でございますかエリス様!?』
『だから粗相のないようにね?』
『か、かしこまりました』
なにやらエリス様がセイレーン様に耳打ちしているようですが私はさっきからきになっていることがありましたのでタナトス様に話し掛けます。
「タナトス様、そろそろ場所を移した方がいいかもしれません。セイレーン様の呪歌もそうですがエリス様の槍が顕現したことで日本の巫女達に神の顕現を悟られた可能性があります。少なくとも姉は確実に霊視してます」
正直に言ってかなり不味いです。早くこの場を立ち去らないと近くにいる魔術士達が来てしまう。
「それは不味いですね。ルカ、申し訳ありませんが今日のピクニックはこれでおしまいです。早々にこの場を去りましょう」
「うん、仕方ないね」
「とりあえず、この後はファミレスでも行くか」
苦笑して片付けを始める面々。
そんな中、小さく俯いているセイレーン様。エリス様から事情を聞いてルカくんが表舞台に出る事を嫌がっていることと今日ピクニックに来ていた事を知り、自分がそれを台無しにしたことに落ち込んでいるようです。
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