第六十七話 人相その六
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「今回はね」
「負け方も酷くなりますね」
「支持率が酷過ぎるよ、二十一パーセントとはね」
政治家、政党の支持率としてはかなり深刻なものである。特にアメリカの様な二大政党制となっている国では。
「既に中間選挙でも惨敗しているし」
「大統領選挙もですね」
「確実に負けるよ、そして合衆国の政策も」
「一変しますね」
「共和党伝統の保守的な政策から民主党伝統の政策になるね」
「リベラル的なものにですね」
二十世紀以降そうした位置付けになっている、共和党と民主党のカラーはそれぞれそうなっているのだ。
「なりますね」
「うん、まあ私は前も言ったけれどね」
「民主党支持ですね」
「そう、だからいいことだが」
「共和党支持者にとってはまた冬の時代ですね」
「そうなるね」
領事は内心思うところは隠して表情を消して述べた。
「再びね」
「中々難しいことですね」
「まあ大統領選挙は今回は実質的に通過儀礼だよ」
それに過ぎないものになるというのだ。
「相当なことがない限りはね」
「そうですね、どう見ても」
「うん、ではこの話はこれで終わって」
「はい」
「君は最近自衛隊の方にも顔を出していますね」
「この神戸の地方連絡部ですね」
「うん、自衛隊は最近どうなのかな」
文官として武官である彼に問うたのである。
「頑張ってるとは聞いているけれど」
「そうですね、士気も規律もいいですね」
「訓練もだね」
「はい、装備もです」
「ではかなり得点の高い軍だね」
アメリカでは自衛隊は軍とみなされている、これはアメリカだけではなく世界のほぼ全ての国がそうみなしていることだ。
「最近の自衛隊は」
「特に規律がいいですね」
スペンサーは自衛隊のこの点を最も強く指摘した。
「このことについてはアメリカ軍よりも遥かに上です」
「まあ我が軍はね」
「問題を起こす将兵が多いので」
スペンサーもこのことについては苦笑いで言うしかなかった。
「このことについては」
「自衛隊に負けるね」
「自衛隊の規律は別格です」
「かつての日本軍みたいにかな」
「帝国陸軍や海軍ですね」
「どちらも凄まじいまでの規律だったらしいね」
その軍規軍律の厳しさは伝説にまでなっている、その厳しさと徹底さを誇りとさえしていた程である。
「それこそ地獄の様に」
「今の自衛隊はそこまではいきませんが」
それでもだというのだ。
「やはり厳しいです」
「いつも身だしなみを凄く整えているね」
領事も彼等と会う機会があるのでこのことも見ていた。
「日本は」
「その点ではとてもです」
「アメリカ軍は負けるか」
「足元にも及びません」
そこまで違うというのだ。
「我々は軍服にアイロンもあまりかけませんし靴も磨
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ