第六十七話 人相その五
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「所詮はね」
「本格的な戦いはこれからですね」
「まさにね。ただ」
「それでもですね」
「その本番もね」
大統領選挙もだというのだ。
「あの人が勝つね」
「世論調査でもそう出ていますね」
「今の大統領はね」
共和党の現職、彼はというと。
「あまりにも評判が悪いからね」
「そうなってしまっていますね」
「経済政策の失敗、外交でもね」
「下手に戦争ばかりしてしまい」
その結果だった。
「財政への負担を増やしいらぬ敵を作ってしまいました」
「しかも失言も多い」
この問題もあった。
「大統領個人の失言だけじゃない」
「他の閣僚の方々もですね」
「多いからね」
「はい、この前もでしたし」
「流石に人種的な発言はしないがね」
これはアメリカでは即座に政治生命が終わる類の失言になる、アメリカの特色でもある。
「それでもね」
「失言のあまりもの多さも」
「共和党を不利にしている」
それも著しくだ。
「共和党支持者にしては困ったことだろうね」
「そうでしょうね。しかし」
「共和党の失言のことだね」
「この二十年程度目立ちますね」
スペンサーは今は中立の立場で述べた。
「どうも」
「そうだね、ギングリッチ氏やヘルムズ氏の頃から」
「あの頃からですね」
「ブッシュジュニアも多かったしね」
「ラムズフェルト氏も」
かつての国防長官だ、軍のパイロット出身だがその失言の多さは本当にかつて将校だったのかと疑問に感じる程だった。アメリカ軍ではパイロットは全て将校なのだ。
「多かったですね」
「ロムニー氏もだったね」
「あの人は特にでしたね」
かつての大統領候補である。
「多かったですね」
「選挙中にねこれでもかとあったね」
「その結果敗れたも同様ですね」
「全くだよ、その後の選挙では共和党は何とか勝ったけれど」
そして今の選挙だ、時代はそう流れている。
「その四年の間にね」
「失言ばかり目立ちましたね、大統領にしても閣僚にしても」
「議員もだね」
「その結果ですね、政策についての批判も多いですが」
共和党は支持を失っているというのだ。レーガン、ブッシュ以降の共和党の特徴とさえ言われている程だ。
「失言が多過ぎて」
「負けるだろうね」
「民主党のあの人は慎重な発言で有名ですから」
「あの人の失言はまずないよ」
「そうですね、それに政策も市民のかなりの割合に支持されていますし」
「民主党が勝つよ」
間違いなくそうなるというのだ。
「今回の選挙はね。下手をすれば共和党は当分立ち直れないかな」
「そこまで負けますか」
「前回の選挙は紙一重だったけれど」
勝ったその選挙でもそうだったというのだ。
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