第五十話 遂に開催その八
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「部活の出しものでもやるしライブもやるし」
「だったらね」
「楽器のチェックをなのね」
「そう、今のうちにしておいたら?」
こう琴乃に言うのだ。
「そうしたら?」
「そうね、それがいいわね」
琴乃も花澄のその提案に頷いた、それで旧校舎でやることが終わるとすぐにだった。
部室に戻った、丁度そこには部長がいて休んでいた。ジャージ姿で教室の椅子に座ってペットボトルのコーラを飲んでいる。
部長はコップの中のコーラを飲みながら琴乃を見てこう言って来た。
「どうしたの?」
「はい、楽器のチェックをしようと思いまして」
「ちゃんと動くかどうかなのね」
「それで来たんですけれど」
「いい心掛けね、じゃあ見たらいいわ」
「そうさせてもらいます」
「ただ、ね」
ここでだ、部長はにやりと思わせぶりな笑みになった、それで琴乃に言うことは。
「他の人の楽器はね」
「触るなっていうんですね」
「そう、あんたはしないと思うけれど」
「他の人の楽器に悪戯はですか」
「しないようにね」
「そんなことしないですよ、というか」
琴乃は部長に言葉にその口を尖らせて抗議した。
「私誰とも仲悪くないですよ、この部活の」
「うちの部活雰囲気は悪くないからね」
「そうです、それに私そんな意地悪なことしませんから」
「女の世界では多いけれどね」
やはりコーラを飲みながら言う部長だった、よく見ればそのコーラはカロリーゼロのダイエットペプシである。
そのコーラを飲みながらだ、琴乃にこう言うのだ。
「そうしたことが」
「それ本当ですか?」
「靴に画鋲とかあるでしょ」
「ないですよ、そんな漫画みたいな世界は」
とてもないとだ、琴乃はまさかという顔で部長に反論する。
「バレリーナのシューズとかにですよね」
「そうそう、あといじめ漫画とか」
いじめは男同士よりも女同士の方が陰湿で凄惨だという説がある、ただこのことが真実かどうかは一概には言えないことであろうか。
「あるでしょ」
「私意地悪もいじめもしませんから」
「ライバルにとかも?」
「ライバルって」
「例えば私とかね」
部長は明るく笑ってこんなことも言った。
「蹴落としたい相手とか」
「何でそこで部長なんですか」
「私を失脚させて部長になるとか」
「しませんよ、そもそも部長さんドラムじゃないですか」
琴乃はギターだ、だから言うのだ。
「そんなことは」
「しないのね」
「はい、絶対に」
「ならいいけれどね、ただ本当につまづいたりして」
「他の人の楽器はですね」
「壊さないでね」
それはするなというのだ、部長はコーラと一緒にスナック菓子も傍に置いている、そのスナック菓子も口の中に入れながら言うのだ。
「そこ気をつけてね」
「わか
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